TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #102

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.03.04
誰でも

#102 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷&今週の1冊

  • TOUTEN ベスト (2026.2.16-2026.3.1)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🤧HELLO

こんにちは。みなさんいかがお過ごしでしょうか。昨晩書ききれず、水曜配信になりました。

春の匂い香るなか、花粉パンチと確定申告パンチに打たれて今にもダウンしそうな私です。気持ちで負けそう。太陽浴びながら寝っころがってだらだらしたい。のに。だのに。母のほうの確定申告の手伝いをしたり、スマホを替えるのにめっちゃ時間かかったり、食品取扱施設営業許可の更新(5年に一回あるらしい)の申請だったりで先週のお休みは思うように時間が取れず、現在自分の確定申告の進捗がピンチすぎて、余裕がまったくありません。余裕がなくなると寝つきが悪くなるので、寝れない夜には貫入さん発行のフリーペーパー「わたしはひとり」(店頭で配布しています)を読んで興味がわいたNONO Girlsを観て現実逃避をするなど。しかし現実は逃避をしても依然としてそこにある。

新聞、テレビ、SNSからニュースは飛び込んでくる。(テレビは野球のことばっかりだなと感じるけれど。)ニュースを見て心を乱されている人も多いと思います。イランでも学校に爆撃があり、子どもを含む100人を超える民間人が亡くなっている。今朝の中日新聞には787人が亡くなったと報道されている。もうだれも、殺さないで。お客さんからも注文のあった『イラン現代史』(中央公論新社)を出版社に注文するも重版中であった。注文が殺到したのではないかと予測する。ああ、『テヘランのすてきな女』に出てきた人たちはどうしているだろうかと思うと泣きそうになる。こんな暴力的な、しかも他国からの政権への介入は許されない。

先週は怒涛のイベントラッシュでした。2/20にはヤマザキOKコンピュータさんと徳谷柿次郎さんのトークイベント(ヒップホップは上へ突き上げていき、パンクはシーンへ広げていく、というのが面白い差異。そこには新自由主義的なものに抗うヒントがある気がしていて、今まさに考えている。こちらはアーカイブを配信中です!)、2/23にはアクティブバイスタンダー講座(根底にハラスメントを社会全体でなくしていこうという意識があり、これはもっと社会通念的に広がるべき!)、2/26には諏訪哲史さんのトークイベント(諏訪さん一人語り面白すぎたのですが、ちょっと意訳もありますが「人間の不完全を肯定するもの」「乗り越えるためにあるもの」という文学定義がめちゃくちゃ重要なことだと思いました。だからこそ批評が必要なんだよな。)と怒涛のイベント週間で、それはそれはすべて面白く、考えていること、書きたいことはそれぞれたっくさんあるのですが、時間的余裕がなく、すみません・・・カッコに収めるスタイルで。

📚新入荷&今週の1冊

それでも本はやってくる・・・。

マウントについて考える(朝井麻由美、TSUNDOKU BOOKS、ながしまひろみ=絵日記・イラスト / TSUNDOKU BOOKS)
『ソロ活女子のススメ』で人気のライター/コラムニスト・朝井麻由美さんと、 青森県十和田市の本屋「TSUNDOKU BOOKS(ツンドクブックス)」による、ちいさく “考えるための本”――ポケット読書シリーズ一冊目のテーマは第1号のテーマは「マウントについて考える」。あれこれ考え続ける本。ながしまひろみさんの絵日記も。

Personal matters -結婚のこと-(星野文月)
結婚に憧れを抱けず、どこか抵抗感を感じていた作家・星野文月さんが、実際に結婚してから直面した葛藤や揺らぎを綴ったエッセイ。制度や常識にぶつかりながら、”人と一緒に生きること”と”自分のままでいる”ことのあいだで揺れながら綴った一冊。

体の居場所をつくる(伊藤亜紗 / 朝日出版社 )
摂食障害、ナルコレプシー、ALSなどの障害や病気の当事者。診断がつかない人、治療の道がない人、人種的マイノリティ――本書に登場する11名は、体に「問題」を抱えながら、日々の工夫の積み重ねで、どのように「体の居場所」をつくってきたのか。伊藤亜紗さん新刊。

ガザへの集団犯罪(フランチェスカ・アルバネーゼ 中村 梨里、甘糟 智子=訳 早尾 貴紀、根岸 陽太、小坂田 裕子=監修・解説 / 地平社)
イスラエルによるガザ攻撃に対して世界の最前線で異を唱え、偽りの「停戦」を批判してきたアルバネーゼ。圧巻のヨハネスブルグ・スピーチ及び、日本を含む第三国の企業・国家責任を問うた二つの国連人権理事会報告書を収録。

📚今週の1冊📚

書影

書影

敦子さんと素直さんは、互いを大切なパートナーとして、敦子さんが出産した満生ちゃんと3人で暮らしている。素直さんの性は女性/男性のどちらにもとどまらず、3人の関係は〈母親/父親/こども〉の枠に収まらない。性のあり方、関係性のあり方を枠にはめず、名前をつけず、ゆらぎ変化していく全体として日々の生を生きようとしてきた2人が、出会いの頃から満生ちゃんの誕生、現在の暮らしまでの出来事と思いを語った「声のおたより」の記録。

本当にラジオを聴いているみたいに軽快に読めます。役割や関係性など、固定化されやすいものの固まった部分をほぐし、あわいを生じさせるやわらかな本。そこにひうち棚さんのひだまりのようなイラストが相まって、緊張しないでゆっくりのびのびと考えることができます。自分のことがわからなくて不安になったときなど、折に触れてひらきたい。

本書は創元社の人文書の入り口のようなシリーズ「あいだで考える」の最新刊です。大好きなシリーズでして、この度3周年の記念展示を当店にて開催いただくことになりました。うれしいっ!「えっいいんですか?!」という気持ちいっぱい、ご褒美みたいな展示です。

📚TOUTEN BEST ( 2026.2.16-2026.3.1 )

お金信仰さようなら(ヤマザキOKコンピュータ / 穴書)
・どれだけの資産があれば人は幸せになれるのか?
・売れないものには価値がないのか?
・経済成長すれば私たちの暮らしは豊かになるのか?
金融界のみならず、国内外のパンク・シーンや多種多様な地下カルチャーを渡り歩いてきたヤマコンさんがそこで培った独自の視点でひとつひとつの疑問を解き、貯蓄でもなく、選挙でもない、新しい選択肢を提示する。

帰りに牛乳買ってきて(はらだ有彩 / 柏書房)
女ふたりの暮らしを等身大に描きながら、社会から押し付けられる「普通」を可視化し問いかけ、それぞれが自由に生きることを肯定するコミックエッセイ。喜怒哀楽がたのしく描かれていて、とてもよいです……!サイン本残りわずか!

『ホーム・スウィート・ホーム』(杉本彩子 / 工作舎)
「生き方の数だけ存在する住まいのかたちを見たい」と家を訪ねる杉本彩子さんが記録してきた人が住む「おうち」の俯瞰図とインタビュー/エッセイ/コラムで構成された1冊。イラストを生業にする杉本さん自身のつながりで成り立っている本なので、陶芸家など、さまざまな作家さん/職業の人が出てきて愉快です。生活していることがありありと伝わってくるリアルさも魅力。今週土曜からは2階展示室にて刊行記念展示が開催されます!ギャラリートークもあるので、ぜひご参加ください!

いきなり知らない土地に新築を建てたい(徳谷柿次郎 / 風旅出版(株式会社Huuuu))
全国47都道府県を行脚する作家/編集者・徳谷柿次郎さんの頭の中を書き出したような日記のようでエッセイのような感情の断片集。ワードプレスの独自ドメイン配下、アイキャッチ画像なし、SNSシェアボタンなしのストロングスタイルの「クラフトインターネット」で書き続けた日記がベースとなっています。柿次郎さんの感情の断片は刺激的で、思考疲れ気味(または思考停止気味)の脳みそを活性化させてくれます。感情と感情をぶつけたくなる。

増補版 ガザとは何か(岡真理 / 大和書房)
パレスチナについて歴史的文脈を明解に解説してベストセラーとなった『ガザとは何か』に、哲学者・永井玲衣氏との対談、この2年間に発表された論考、書き下ろしのQ&Aなど大幅増補した決定版。「パレスチナ問題」は、決して「複雑で難しい」わけでも、「遠くの出来事」でもない。まず知ることから始める、ここからの一冊。

👀展示&イベント情報

2F展示室【26.2.21-3.7】杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』俯瞰イラスト原画展「住まいという私小説 」
実在の住まいを取材して描いた400点以上のイラストと綿密なルポルタージュにより住人の生き方に肉薄する『ホーム・スウィート・ホーム』(杉本彩子著/工作舎刊)は、「書店員が選ぶノンフィクション大賞2025」にもノミネートされた話題作です。本展では俯瞰イラストをはじめとした20点以上の原画の他、描き文字入りの特大プリントも展示します。原画の繊細な色合いやタッチをご堪能いただき、楽しい文字入りプリントと見比べながら、さまざまな暮らしのかたちに思いを馳せてみてください。トークイベントも開催します!リンクより詳細ご確認ください👀

2階展示室【26.3.20-4.4】シリーズ「あいだで考える」(創元社)創刊3周年記念 香山哲×ひうち棚 二人展
不確かな時代を共に生きていくために必要な「自ら考える力」「他者と対話する力」「遠い世界を想像する力」を養う多様な視点を提供する、10代以上すべての人のための人文書のシリーズ「あいだで考える」(創元社)。シリーズの創刊3周年を記念して、第1作目の装画・挿画を手がけた香山哲さん、最新刊の装画・挿画を手がけたひうち棚さんによる二人展を開催します。
最終日の4月4日夜には香山哲さん、ひうち棚さんによるトークイベントも開催します!

【26.2.20】ヤマザキOKコンピュータ×徳谷柿次郎トークイベント「パンク/ヒップホップから学んだ二人のローカル出版編集会議~わたしたちはバラバラで生きてもいい!~」
長タイトル!兵庫で出版社・穴書を立ち上げ今月末『お金信仰さようなら』を出版するヤマザキOKコンピュータさんと長野で出版レーベル・風旅出版を立ち上げ『編集の編集の編集!!!!』、『いきなり知らない土地に新築を建てたい』など続々と出版を続ける徳谷柿次郎さんのトークイベント!!!!配信中です!!!!

【26.3.18】施設図書館もん・つっちーの出張星読みと選書
今年もやります!つっちーさんの星読み。星読みとは、その人が生まれた瞬間の星の配置をもとに、性格・才能・人生の流れをひも解く手法のひとつ。客観的に自分を見直すことができて、ふっと肩の力が抜ける時間を過ごせるひとときとなるといいなと思います。ぜひご参加ください

杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』俯瞰イラスト原画展「住まいという私小説 」記念トークイベント 1 【26.3.6】「私小説から叙事詩へ―納屋が繋いだ内と外―」
第5章3幕に登場する納屋ハウスの住人をお招きしてトークショーを開催。「コロナ禍を機に福井県に移住した吉田夫妻は、夫の智彦さんの父の生家の納屋をリフォームして暮らし始めました。仲間たちの力も借りて手づくりしたその家を、妻のかおりさんは「体の一部や延長線」と言います。排水口から流れていく水の行方を理解するなど、意識は自ずと家の外側、環境、社会へと向かっていきます。この本の序章で著者は「家」を住人の「私小説」に喩えましたが、より大きな視座を得た吉田夫妻の物語は、私小説を超え、叙事詩と言えるものになっていきます。」その意識の変化や充足感について、著者・杉本彩子さんがお話を伺います。

杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』俯瞰イラスト原画展「住まいという私小説 」記念トークイベント2 【26.3.7】紙芝居トークイベント『ホーム・スウィート・ホーム』ができるまで
著者・杉本彩子さんが、出版のいきさつや、編集者との出会い、各家取材のエピソード、俯瞰イラストの制作過程などを、紙芝居形式でお話しされます!

AFTER TALK

そっ、そういえばっ!本チャンネルにて、好きな本屋についておしゃべりする回を担当しました。テーマは完全に私得です。すみません。店を開く前の客単価の見積もりが高すぎてドン引きされるという時間もありましたが(取次の営業していたと思えないでしょう)磯上さんと小林さんの本屋の話聞けてよかった・・・。アセンスはタイムマシンがあったら行きたい本屋の一つなので、ジャンル構成とか聞けてうれしかったな。小林さんはさすがの情報量!マップほしいです!

・・・いやあ、しかし、公開日にヴィレッジ・ヴァンガード本店閉店というニュースが飛び込んできて、心が乱れました。言葉にならんです。

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING 『何が私をこうさせたか』(金子文子 / 岩波書店)

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