TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #97

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2025.12.24
誰でも

#97 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷&今週の1冊

  • TOUTEN ベスト (2025.12.8.-2025.12.21)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

 🎄HELLO

※年末年始休業は28日(日)〜1月5日(月)になります。

こんにちは!今年も無事「SELF LOVE BOOK SET」の発送を終え、年末の気分になってまいりました。アドレナリンが出ているせいか眠りが浅くて、テンションがおかしな日々です。

月曜に開催した読書会TOUTEN BOOK CLUB 「今年読んでおすすめしたい漫画」、今年も面白かったです〜。何時間でも漫画の話できる。というか本当はファミレスで深夜まで延々と語り合いたかった。おしゃべりな口は閉じない。ということで勝手に一人「このマンガを読め!」(フリースタイル風)です。刊行順です。ちょっと早口な感想を添えて。

・DRAMATIC(寺田燿児 / 猋社)2025/02
原画展もさせてもらった思い出深い1冊。独裁者の背中シリーズが圧巻。漫画の中のユーモアがひたすらかわいい。今年は『TORA TORA TORA TORA』(2022年刊行)に出会えたのも嬉しかった。

・20光年(INA / リイド社)2025/04
昨日は時間の関係で紹介できなかったけど、Hさんとも『20光年』よかったよねって話をした。言葉にならない感情をそのまま漫画で表現できる人。人間のちっぽけさを描いてくれるところが好き。

・線場のひと(小宮りさ麻吏奈 / リイド社)下巻2025/04
歴史の史実から物語を浮かび上がらせることの凄さ。常にその人に寄り添った想像力を働かせないと難しい作業だと思う。小宮りさ麻吏奈さんの短編も読んでみたいな〜。

・となりのとらんす少女ちゃん(とら少 / 在野社)2025/05
昨日の会でも挙げている方がいて、そうそう!と頷きまくる。「トランスジェンダー女性」の存在を単純化させない、知識のその先を描く漫画。物語構成が抜群に上手いので今後も楽しみな作家さん。

・隙間(高妍 / KADOKAWA)4巻2025/06
台湾から沖縄に留学したヤンヤンのお話。個人と社会を行き来しながら、でも軸はヤンヤンの青春物語となっていて詩情がある。描くのが苦しかっただろうなと思う。そして描き切ったなとも思う。

・ソウル・サーチン(新里堅進・藤井誠二 / リイド社)2025/08
広島に中沢啓治がいたように、沖縄に新里堅進がいるのだろう。ただただ史実に沿って漫画で表現される。一人一人に顔があり、人生があり、魂があった。読み継がなければならないと思える漫画。

・高木りゅうぞう作品集 ツイステッド(高木りゅうぞう / 復刊ドットコム)2025/11
めちゃくちゃクール。肩の力が抜けている登場人物たちの空気が90年代っぽいんだけど、今読んでも新鮮で色褪せない漫画……is畏怖の念。来年夏に原画展開催します。うれしい。ありがたい。

・彼女は裸で踊ってる(岡藤真依 / 講談社)2巻2025/11
岡藤さんの漫画はかっこいい。譲れないものを発見してくれるし、それを尊重してくれる。順応しようとしても心の奥底ではできない、そのしんどさにキラキラを塗ってくれる。輝ける希望をくれる。

・おかえり水平線(渡部大羊 / 集英社)2巻2025/11
息しやすい世界の漫画で毎話泣いちゃう。今や『おかえり水平線』の字面だけで涙ぐむ。そんなわかりやすい泣ける話とかではないんですが、ただの日常が尊いのに弱くて。昔からそういう体質。

・復讐が足りない(冬野梅子 / 講談社)1巻2025/12
冬野梅子さんの漫画、大好きです。W課金勢。性加害の告発に対するそれぞれの反応がリアル。そして主人公の内面の生々しさに心当たりがあって、怖いと思いながら読む。続きが一番楽しみな漫画。

まだまだまだまだ紹介しきれないのですが、キリがないので10銘柄まで。今年、グラフィックノベルをあんまり読んでなかったと気づく。『今日が人生最後の日』『ルワンダ』『出口 中絶のための1200kmの旅』『FINE 聞いてみたら想像以上に人それぞれだったジェンダーとかの話』積読してます……。読みたい。

📚新入荷&今週の1冊

ファミリ〜ドキュメンタリー漫画(パン・カンパニー / 猋社)
漫画なんだけどドキュメンタリーで、描かれているのは家族のことだけ。タイトルが包摂していて秀逸。読み出したら、ここまで明け透けにさらけ出していいのか?!とドキドキしながらページを捲る。そこには依存にも見える深くてでかい愛がある。いつのまにか夫・ふみあきさんのことを知っている気になるし、パン・カンパニーさんのことを応援したくなるし、丸裸の愛というのはこうも人を勇気づけてくれるのかと驚く。「好きすぎてツラいという人」がいる人には絶対おすすめです。

キーホルダー 2(POTATO PRESS)
大阪・FOLK old book storeさんのPOTATO PRESSが発行する漫画誌『キーホルダー』2号目。2号目は川が出てくる川漫画がテーマ。ながしまひろみさん、大橋裕之さん、コマツシンヤさん、寺田燿児さん、死後くんさん(で合ってるのか?)。ヒュッてなったり爆笑したり忙しい。「川」が意味するもの、または意味しないものが多種多様で素晴らしい一冊でした。来年こそFOLKさんに行きたい。この感想を直接伝えたい。

地方でこっそりフェミニストやってます〜この社会で生きるために隠れているあなたへ〜(ジェンダーを考えるひろしま県民有志)
広島に限らず全国の地方都市でもあるあるの息苦しさに気づいたメンバーが、オンラインで情報交換し合いつつ、ZINEづくり合宿を敢行!地方のジェンダーギャップの現状リポート、地方で暮らす私たちの声、私たちにできることなど、エンパワーも含めたZINEです。「息苦しいのは私が悪かったんじゃないんだ」と思える一冊。

ペンと剣(エドワード・W・サイード、デーヴィッド・バーサミアン 中野真紀子=訳 / 里山社)
「パレスチナという理念は、他者との共生、他者の尊重、パレスチナ人とイスラエル人とが互いに相手を認めるという理念である」 分断が進む世界への絶望に抗うために広い視野で希望を見出すサイードの思想。西洋中心の価値観に異議を唱え、アカデミズムの枠を越えて政治に声を上げた人物像を浮かび上がらせる、サイードをこれから読む人にも最適な一冊。福岡の出版社・里山社さんから。

\📚今週の1冊📚/

タイトルの通り「中高年シングル女性」について当事者に取材されたものを編み、性差別的な社会の欠陥や問題点を提示した1冊。年末大プッシュ本です!一人でも安心して生きていける社会制度を政治では整えてほしいし、ロールモデルが少なすぎる状況で”こうあるべき”規範みたいなものに苦しんでいる人にこの本が届いてほしい。そして透明だった「中高年シングル女性」を取り巻く諸問題を認識し、やさしい社会に向かっていけるといいなあと思います。DV被害など、過酷な状況を生き抜いてきた人たちの声もたくさん詰まっているし、非正規雇用の理不尽な制度によって今まさに大変さに直面している人の切実な声も書かれています。本当に、大変ななか皆さん生きのびている。そうせざるをえなかったことばかりと思うのですが、すごすぎるんですよ。本書をぜひ、読んでほしいです。私もこの製本された状態で、もう一度読みたいと思います。

本チャンネルでは和田さんにこの本を作った経緯やどのように作ったのかを伺いました。和田さんだからこそ聞けた話が山のようにあるのだと思う。よかったら聞いてください。

📚TOUTEN BEST ( 2025.12.8-2025.12.21 )

うどんねこ まほうのことば、ミソニコミ!(スケラッコ / ポプラ社)
スケラッコさんのうどんねこシリーズ第四段のテーマが味噌煮込みうどんということで、当店にてサイン会を開催してくださいました!子供たちの人気の高さがすごい。スケラッコさんの漫画いいよね!が全世代に!すごい!ジェンダー規範の強化もないし、安心して手渡せる児童書。かいけつゾロリ並みの息の長い連載になったらいいなという話をポプラ社の人が言ってて素敵でした。

エトセトラ VOL.14(福田和子、高井ゆと里=特集編集 / エトセトラブックス)
SRHR特集号!!!!SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)は、自分の体、性や生殖について、誰もが十分な情報を得られ、自分の望むものを選んで決められると同時に、勝手に決めさせないという「基本的人権」のこと。これまでの国による性と生殖の管理・抑圧や、支配に抗ってきた運動の歩みを知り、道筋を探る一冊となっています。

コメディ映画で泣くきみと(吉川トリコ / ポプラ社)
『流れる星をつかまえに』の文庫化。改題され、ボーナストラックの掌編「暗くなるまでこの声を」が収録されています。全面帯のイラストは『半分姉弟』の藤見よいこさん!解説はブレイディみかこさん、さらに推薦コメントに王谷晶さん、柚木麻子さん!これだけでも読むと元気になる本だということが全力で伝わる。1冊通じて、ままならない毎日に悩み惑う人たちの踏み出す一歩を描く連作短編集となっています。現在、吉川トリコさんのサイン入りですのでこの機会にぜひ。

人といることの、すさまじさとすばらしさ(きくちゆみこ / twililight)
2010年よりパーソナルな語りとフィクションによる救いをテーマにしたzineを定期的に発行し、2023年にはtwililightから初めてのエッセイ集『だめをだいじょぶにしていく日々だよ』を刊行した翻訳・文筆家のきくちゆみこ。今作『人とともにいることの、すさまじさとすばらしさ』は、あたらしく引っ越してきた郊外の団地で、長年苦手としてきた「人とともにいること」の学びと向き合う日々を綴った日記エッセイ。

うどんねこ(スケラッコ / ポプラ社)
うどんの生地をこねこ…ねこねこしていると、う・どーん!とねこが生まれた! もっちりボディに、麺のように伸びるしっぽ。ころころ変わるファニーフェイス! 自由気ままなうどんねこが、閉店危機のうどん屋さんを救う!? とにかくかわいくて笑える! 絵さがし&間違いさがしも充実で、子ども大人も夢中になること間違いナシ。革メン的なキャラクター読み物、誕生です!

👀展示&イベント情報

【25.12.23~27】Takanari Nomura photo exhibition「つかの間へ」
野村隆也さんの写真展。今回は「つかの間」がキーワード。写真を通して世界の境界を溶かす試みのような、他者を通じて自分の内面に気づくような、そんな思いを受け取りました。つかの間の瞬間の数々。ぜひご覧ください。

【26.1.9~24】絹 豊松りく合作展「指先の青」
"2017年春、上京先の寮で出会ったふたりの、ことばと絵の合作展。絹は言葉をつむぎ、豊松は絵をえがく。お互いの作品から着想を得て新たな作品をうみだす。まるでアーティスト同士の【文通】のような試みです。"

【アーカイブ配信準備中!】 小山内園子×吉川トリコ「どうしてわたしたちはこんなにもK-BOOKが好きなのか!」
韓国本を楽しむフェア「K-BOOK FAIR」の連動企画!『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』著者で翻訳家の小山内園子さん、名古屋が誇る小説家の吉川トリコさんが韓国の本の魅力を語り尽くします!お二人が思うそれぞれの韓国本の魅力、おすすめしたい本など、じっくり語り合っていただく時間。お二人の息がぴったりで、大変面白かったです!

【25.12.27】陰謀論絵本『レプティリアンのハチュ田くん②』刊行イベント 大原扁理朗読会
大原扁理さんが、陰謀論を題材にして描いている絵本『レプティリアンのハチュ田くん』の朗読会です!陰謀論をメタな視点で考えたり、自分のまわりの陰謀論についてシェアし合える時間になるのではないでしょうか。『レプティリアンのハチュ田くん』、クセになります。ぜひお気軽にご参加ください!

【26.1.12】シンガーソングライター・マーライオン名古屋・弾き語りワンマンライブ
都内を中心にライブ演奏、音楽制作、文筆業、俳優業、ポッドキャストなど、ジャンルの垣根を越えながら活動中のシンガーソングライター・マーライオンさんによる弾き語りワンマンライブ。
チケットページはこちら。https://tiget.net/events/440452

【26.1.29】 『わたしを夢に見てください』刊行イベント「日韓の文学をクィアに読み解く」
著者のキム・メラさんが来日! 対談相手として、ジェンダーおよび日本近代文学研究がご専門の飯田祐子先生(名古屋大学教授)をお迎えし、日韓の文学を「クィア」という視点から読み解いていきます。本イベントでは、作品の背景や創作の動機に加え、日韓それぞれの社会や文学の文脈のなかで、クィア/フェミニズム文学がどのように読まれ、語られてきたのかについても掘り下げていきます。韓国文学に関心のある方はもちろん、クィア文学やフェミニズム、現代社会について考えるヒントを探している方にもおすすめのイベントです。

【26.1.31】第3回 川勝徳重トークショウ
『漫画 湯布院奇行』(講談社)の刊行を記念して、著者の川勝徳重さんをお招きしてトークイヴェントを開催します。『漫画 湯布院奇行』は燃え殻さんの小説を基に劇画化された作品で、制作にまつわるお話を伺います。また、川勝さんの運営する「セミ書房」より先日発行された亜蘭トーチカさんとの共著『林静一漫画術』についてもお話をして下さいます。今回も本田さん企画です!

☕️AFTER TALK

先週末はもぐこんさんがはじめたギャラリー「PENKI horse」にようやく行けました!こいけぐらんじさんの個展『げっとわいるど』を観てきました〜。こいけさんの空気感に安心する。描くもの、描かないものが一体になって混ざり合っている。ずっと眺めちゃう。景色がきれい。今回はしゃもじの作品がすごいしゃもじでびっくりした。あと動画の作品もあって、一部実話が混ざっていて爆笑しました。行った際にはぜひ聞いてみてください。

最後に、28日の夜は本チャンネルの企画で今年読んでよかった本を語らい合う番組に出ます。皆さんの本の話聞くのすごく楽しみですが、き、緊張する。酒を飲みながらやりたい気持ち。終わりの時間設定がないようなので、ゆるゆる通り過ぎたり、見て行ったりしてください。

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。少し早いですが、2025年、ありがとうござました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

#NOW READING ペンと剣(エドワード・W・サイード、デーヴィッド・バーサミアン 中野真紀子=訳 / 里山社)

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