TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #96
#96 INDEX
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HELLO
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新入荷&今週の1冊
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TOUTEN ベスト (2025.11.25.-2025.12.7)
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イベント情報
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AFTER TALK
🌰HELLO
こんにちは。師走ッッッ!
今年もセルフケアするための本のセット「SELF LOVE BOOK SET」の予約が始まりました。当店が選んだ本に、焼菓子モモさんの米粉のヴィーガンクッキー、Verseauさんのウィンターブレンドのハーブティ、安達茉莉子さんのイラストカードを一緒に包んでお送りします。
「自分のための言葉を探すことができるような、そんな願いを込めて作りたいと思っています。暴力がまかり通っている社会への不安、人と関わることの不安、一人でいる時の不安、いろいろな不安が日々蓄積している中で、飲み込まれそうになることが多々あります。
私を守るための言葉、他者に歩み寄るための言葉、社会に抗うための言葉。当たり前だけれど、本には言葉が溢れている。おしゃべりするみたいな気軽さで、本を開いてみる。その気軽さを、いつも身近に持っておくことがお守りになるような、そんなメッセージが伝わるといいなと思います。」
とお伝えして、トートバッグってプラカードにもなるよね、と話が発展してこのビジュアルに辿り着きました。本を読むことで自分たちを繋いでくれる言葉を集めていこう。私の、そして私たちの言葉を集めていこう、という想いが込められています。安達茉莉子さんの作品は毎年わたしにとってビッグハグのような存在です。ビッグハグ、でかいハグ。お互いがんばったね〜!と励まし合うような、セロトニンがじゅわ〜と出るような、でっけえハグ。私もビッグハグみたいな本屋が作れるように日々愛を育てて生きていきたいです。
📚新入荷&今週の1冊
仕事文脈vol.27(仕事文脈編集部 / タバブックス)
すべてのゆかいな仕事人のためのリトルマガジン『仕事文脈』、vol.27特集は「売る、買う、悩む」「ユーモア作戦」の2本。「文脈本屋さん」コーナーでは当店を取材いただきました。タバブックス・宮川さんと話しているうちに「ユーモア作戦」に辿り着き、さすが編集者!の気持ちでした。
ピーナッツヴィルの日常(唐澤龍彦)
当店で展示もしてくださった唐澤龍彦さん、作品集「ソファはわたしのために」に続きあたらしい作品集が入荷しました。ピーナッツの形をしたキャラクターたちがどうも人間のように見える。くだらないことを考えたり、物思いにふけてみたり。ああ、愛らしい。ケバブの話に爆笑しました。
多様な性を生きる(松岡宗嗣 / 河出書房新社)
世の中の「ふつう」とされる性のあり方に当てはまらない、そんな自分とどう向き合ってきたのか、性的マイノリティとしての生き抜き方を聞く。いま悩んでいる10代やその友だち、まわりの大人に向けて、LGBTQ+の声を届ける一冊。水上文さんも対談者の一人です。
赤松(坂口恭平 / palmbooks)
自身の短篇小説をもとに描かれた、坂口恭平さんの創作の原点となる、漫画にしてまさに文学。オールカラー上製本の絵本仕立てで、ずっと手元においておきたくなる特別な一冊に。熊本で漫画の原画を見せてもらったのが懐かしい!色々な境界が薄れていって、そのまま土や海、風とともにいっしょになっていくような、まっさらな感覚になる不思議さ。
\📚今週の1冊📚/
SRHR特集号!!!!
SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)は、自分の体、性や生殖について、誰もが十分な情報を得られ、自分の望むものを選んで決められると同時に、勝手に決めさせないという「基本的人権」のこと。これまでの国による性と生殖の管理・抑圧や、支配に抗ってきた運動の歩みを知り、道筋を探る一冊となっています。
「SRHR」という言葉自体、耳馴染みがない人もいるかもしれません。私のからだは、私のものであり、誰もが「私のからだ」を生きられるようにするためのもの。とても広い射程の言葉でありながら、一人一人の言葉から丁寧に編まれています。1872年から始まる「SRHR年表」は圧巻。特集の目次はこちら。
特集:SRHR
特集のはじめに 福田和子
SRHR年表(作成:福田和子・高井ゆと里)
セクシュアル・ジャスティス宣言
【寄稿】
草野洋美 SRHR for ALL!――SRHRが私たちみんなの人権になる日まで
三浦美和子 日本の公的プレコンセプションケア――誰が、何のために?
黒坂愛衣 隔離政策と優生政策が交差したハンセン病療養所
嶽本新奈「からゆきさん」――性と生殖の管理、そして植民地主義
永野三智 水俣の女性たちの、性と生殖にまつわる話
谷口歩実 「フェムテック」への怒り
田中雅子 移民の目線で日本のSRHRを見直す
土屋和代 トランプ2.0とリプロダクティブ・ジャスティス
田代美江子 SRHRを確かなものとする包括的セクシュアリティ教育(CSE)―人権教育の実践としての意義―
【インタビュー】
木本昌美・木本奏太「身体で線引きされずに、自分を生きるために」
石地かおる「障害のある身体を、『私のもの』と思えるまで」
【鼎談】
大橋由香子✕高井ゆと里✕福田和子
「女の運動の蓄積を、次のSRHR運動につなげていくために」
【読者投稿】
自分の身体(とくに性や生殖にまつわること)が自分のものではない、管理されている、と感じたことはありますか?
特集のおわりに 高井ゆと里
本チャンネルではマルジナリア書店の小林さんと、『エトセトラ』の好きな号を持ち寄り(つまり全部なんだけど)エトセトラブックス代表の松尾さんにインタビューをする、というかおしゃべりする動画を撮っていただきました。楽しかった〜!
📚TOUTEN BEST ( 2025.11.25-2025.12.7 )
コメディ映画で泣くきみと(吉川トリコ / ポプラ社)
『流れる星をつかまえに』の文庫化。改題され、ボーナストラックの掌編「暗くなるまでこの声を」が収録されています。全面帯のイラストは『半分姉弟』の藤見よいこさん!解説はブレイディみかこさん、さらに推薦コメントに王谷晶さん、柚木麻子さん!これだけでも読むと元気になる本だということが全力で伝わる。1冊通じて、ままならない毎日に悩み惑う人たちの踏み出す一歩を描く連作短編集となっています。6日の夜に著者の吉川トリコさんと韓国本の翻訳家・小山内園子さんとのトークイベントを開催したのですが、号泣ポイント(あるんですよ・・・!)が小山内さんと一緒で「わかる〜!!!」となっておりました。
彼女は裸で踊ってる 2(岡藤真依 / 講談社)
ストリップを観て、自らの体や性、そして世界と向き合う物語。6日はばんのさん主催の刊行イベントで著者の岡藤真依さん、ストリッパーの黒井ひとみさんによるトークショー&ダンスショーもありました。営業中の2階での開催だったため参加はできませんでしたが、終了後の皆さんの楽しかった!という熱気を浴びました。漫画も本当に良くて、これも「SRHR」のことが描かれていると思います。
ソウル・サーチン(新里堅進、藤井誠二=原著、安東嵩史=編 / リイド社)
29日に評伝を書いた藤井誠二さんをお呼びしてトークイベントをしました。新里さんの「沖縄を描くこと」に対するストイックさをじっくり聞く。新里さんは史実を読み込み、そのリアリティが漫画にもよく現れています。一人一人の表情が描き込まれているのも、それを表している。藤井さん視点の新里漫画の話も聞くことができてよかったですが、評伝もかなり熱がこもった行動によって作られていて(本人はいつも通りなのだろうけれど)、厚くて熱い、保存版の1冊です。
2人は翻訳している(すんみ、小山内園子 / タバブックス)
チョ・ナムジュ、チョン・セラン、カン・ファギル... 話題の韓国文学の翻訳を次々手掛ける韓日翻訳者のすんみさんと小山内園子さん。日本でも大きな話題となったイ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』の共訳以来、仕事仲間として友人として固い絆で結ばれている2人。翻訳のために日々行っていること、ことばを生み出す背景を、それぞれの視点から綴ります。
どうするかはあとで考えよう(かもめと街・チヒロ)
『午後のコーヒー、夕暮れの町中華』ではじめての商業出版を終え、もぬけの殻となったかもめと街・チヒロさんが、広げた理想を手放し“今”を生きることに目を向け、徐々に生活を取り戻す3か月の日記。書き下ろしエッセイ&巻末にブックリスト付き。サイン入りです。
👀展示&イベント情報
告知画像。ガラスペンでえがかれた猫・テテさんのイラストと、マプラン肉球フィナンシエの写真が並んでいます。
【アーカイブ配信準備中!】 小山内園子×吉川トリコ「どうしてわたしたちはこんなにもK-BOOKが好きなのか!」
韓国本を楽しむフェア「K-BOOK FAIR」の連動企画!『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』著者で翻訳家の小山内園子さん、名古屋が誇る小説家の吉川トリコさんが韓国の本の魅力を語り尽くします!お二人が思うそれぞれの韓国本の魅力、おすすめしたい本など、じっくり語り合っていただく時間。お二人の息がぴったりで、大変面白かったです!
【25.12.11】クレオパトラブックス大感謝祭2025 ゲスト:歌人・小坂井大輔
今年もクレオパトラブックス大感謝祭を開催します!今年は歌人・小坂井大輔さんをゲストとしてお呼びしてのトークイベントになります!1日に3冊本を読むこともあるクレオさんが、お客さんの話を聞いて(カルテを書いてもらい)店頭から本を選書するクレオパトラブックス。今年、クレオさんがかなり推されていた本が小坂井大輔さんが出版した『KOZAKAIZM』でした。小坂井大輔さんは歌人であり、名古屋駅西の中華料理店「平和園」店主。(実は、当店の御書印も、小坂井さんに詠んでいただいた短歌です。)もうそれならば小坂井さんをお呼びすべきだ!と思い、今回イベントが実現しました。ぜひお越しください!
【25.12.13】『うどんねこ まほうのことば、ミソニコミ!』発売記念スケラッコさんサイン会
どどんと!うどん!ねこシリーズ、今回は味噌煮こみうどんがテーマということで、スケラッコさんのサイン会を開催します!前回は『みゃーこ湯のトタンくん』のタイミングでしたので、2022年以来!とっても愉快でハッピーな気持ちで読むことができるシリーズです。全世代におすすめ。ZINEやグッズももりもり入荷します。ぜひお越しください〜!
【25.12.16】「あなたも、わたしも、あの人も!みんなで生き残る会議」本屋lighthouse関口さん、クレオパトラブックス・クレオさんと集まって、「みんなで生き残る会議」を開催します!なんか生きづらいなあと思うこと、こんなこと吐き出していいのかなあと思うこと、持ち寄ってどうしたら「みんな」がハッピーな方向へ向かえるんだ!ということをワイワイ悶々おしゃべりするお話会です。政治に疲れた感じ、生活に不安な感じ、エトセトラエトセトラ、みんなでシェアして少しでも希望を持って帰ることができればと思います。ぜひご参加ください💪
【25.12.22】TOUTEN BOOK CLUB 「今年読んでおすすめしたい漫画」
毎年年末近くになると行う読書会。テーマは「今年読んでおすすめしたい漫画」です。2025年も色々読んできたと思いますが、その中で「これは!」と思うものをご用意ください。知らない作品に出会えること、知っている作品の話を聞けることがたのしみです。
【26.1.12】シンガーソングライター・マーライオン名古屋・弾き語りワンマンライブ
都内を中心にライブ演奏、音楽制作、文筆業、俳優業、ポッドキャストなど、ジャンルの垣根を越えながら活動中のシンガーソングライター・マーライオンさんによる弾き語りワンマンライブ。チケットページはこちら。https://tiget.net/events/440452
☕️AFTER TALK
今年首をいわして以来、根本治療が必要だ、ということで毎月一回、近所の接骨院に骨盤調整に行っています。とはいえ腹筋や体幹を鍛えないと、ひと月でまた元に戻る身体の歪み・・・根本治療のために行っているのに、私が何も改善努力をしないばっかりに毎月同じ状態に戻っているのが恥ずかしい。「この人毎月歪んで戻ってくるな」と絶対思われている。
さらに今回はいつもと違う施術の人で、結構力が強かったのですが負い目からか(?)「もうちょっと痛かったら言おう」のラインで何も言えず、さらにうつ伏せの時におでこをのせる枕(伝わります?)に少し深く頭をのせてしまって、ぐっぐっと肩や背中を押される度に「目が、目が潰れる!!」とヒヤヒヤしっぱなしでした。ああいう時うまく伝えられる大人になりたい。
先日小山内さんとトリコさんとお話ししていた時も、肩が痛いという話をしたら筋トレはとても大事だと教えてもらいました。ああ、筋トレ、続けられるコツを教えてください・・・。
それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。
#NOW READING『わたしを夢にみてください』(キム・メラ 吉良佳奈江=訳 / 花伝社)
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