TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #105

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.04.21
誰でも

#104 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷&今週の1冊

  • TOUTEN ベスト (2026.4.6-2026.4.19)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🌷HELLO

こんにちは。

18日には長野県で、昨日は青森県にて震度5強の地震がありましたね。被災された方にお見舞い申し上げます。後発地震注意情報が発令され、不安な気持ちを抱えています。皆さま、身のご安全を第一に🙏

社会的不安が大きいなか、しっかりと見ていきたい出来事の一つに人権条例があります。名古屋市では「名古屋城天守復元を巡る市民討論会での差別発言問題」の反省として人権条例が作られることが決まり、策定に向けた検討会が現在第5回まで開催されています。これは傍聴可能で、わたしも第4回のタイミングで聴きにいきました。募集のタイミングを逃してしまったり人数が多いと抽選になったりしますが、どのような話し合いが行われているのか具体的に見ることができるのでおすすめします。

春〜夏くらいにパブコメが募集されるのではないかという話もあるので、パブコメを一緒に書こうみたいなワークショップを企画したいなと思っています。期間が長いことを祈る。『学校では教えてくれない差別と排除の話 新版』を読むと外国人労働者に対する差別やヘイトスピーチなど取材に基づいて書かれています。差別は社会を壊す、と著者の安田浩一さんはずっとおっしゃっています。差別は人と人を選別し、人を殺し、やがて戦争や虐殺につながる。だからこそ、差別の歴史を知ることが重要だということを、人権条例について調べる中で改めて感じるからこそ、最近は特にそういう本を手に取ることが多いです。

📚新入荷&今週の1冊

カタログ パレスチナ あたたかい家 in 松戸(パレスチナ あたたかい家)
パレスチナの誰もがあたたかい家で幸せに暮らすことを願う市民によって昨年5月に開催されたアートの展示会「パレスチナ あたたかい家 in 松戸」のアーカイブカタログ。植民地主義の暴力に対する一人ひとりの抵抗の形。時に一人だと小さな抵抗だと感じてしまうこともあるけれど、ずっしりと重い(本当に重い!)この1冊を持ったとき、集まれば大きな力になるはずだと励まされました。ずっと書棚に入れておきたい1冊。

悲しい話は今はおしまい(小沼理/柏書房)
今だけは「明るい話」をしよう。絶望しないで話し続けるために。
抵抗の中にあるユーモア、クィアたちの踊りとおしゃべり、立場や属性からはみ出ること。傷も喜びも責任も抱えながら社会と向き合った、実践のエッセイ集。

レジスタンスのまちづくり(慈憲一/和久田書房)
兵庫県神戸市灘(なだ)区だけを愛し極めし者、慈憲一。阪神・淡路大震災から30年、ゲリラ活動から行政を巻き込む事業まで、自らが街を遊ぶことで地域を活性化してきた、他に類を見ない反逆のまちづくり。すべての生活者へ送る、日々の暮らしを面白くするためのヒント満載の一冊です。

交差点で デザイン、言語、経験(けはい出版/平山みな美=編)
デンマークを拠点に活動するデザイナーで環境活動家の平山みな美さんが、6組のオランダを拠点に活動する実践者に「文化的な表象という言葉から思い浮かべるオブジェクト」を持ち寄ってもらい、視覚表現に潜む政治性や、世界から見た日本に触れながら、分断が進む中でどのようにお互いを理解し、尊重し合えるのかをデザインを通して考えたインタビュー集。29日には愛知県を拠点に活動するグラフィックデザイナー・市民活動家の箕浦希奈さんとのトークイベントを開催!この本の内容を深掘りしながら、個人のデザイナーとして、または市民として、本の外でどんなことができるのだろうと問いかけます。1つの答えがある問いでないからこそ、みんなで考える、意見を共有する場になると嬉しいです。ぜひご参加ください!

\📚今週の1冊📚/

“この不知火海を、水俣の人たちのことを語り継ぐ人がいる。誰かの苦しみや悲しみの上に、わたしたちの今がある。その悲しみに寄り添うことは難しいかもしれない。でも、想像し、向き合うことはできる。”

2階展示室にて、水俣写真展「写真が語る、言葉がつなぐ」を開催しております。長く水俣を見つめてきた写真家が切り取った、水俣の海・人・暮らし。時空を超えて語りかける写真のことば。人間の尊厳、経済性重視の暴力、一人ひとりの暮らし。写真が語るものが多く、1ページ1ページが重く、力強い。巻末には藤原辰史さんによる寄稿「なぜ水俣を撮った写真家たちの作品に目を奪われるのか」と、水俣病についてQ&Aで伝える「もっと知りたいあなたへ」が収録されています。一人でも多くの人に開いてほしい本です。

水俣病が公式に確認されてから、70年。

1932年、プラスチックの原料となるアセトアルデヒドの生産が始まります。そこで使われた水銀が、メチル水銀となり、工場排水で海に流れました。メチル水銀は魚や貝にたまり、それを食べる猫や人間、(胎盤を通して胎児にも)脳や神経に、深刻な影響を与えました。

70年前の1956年に水俣病が公式に確認されてからも十分な対策が行われず、排水が止められたのは1968年でした。1969年に水俣の人たちが裁判を起こし、補償が始まったのは1973年。今もなお、認定や救済を求めて裁判を続けている人たちがいます。展示会場のパネルには、「いつから水俣病が始まり、どんな症状がでるかきちんとした検診や調査が一度も行われいないので、患者が何人いるのか、実は誰にもわからないのです」と書いてあります。これが公害の恐ろしさのひとつだと思います。

水俣病センター相思社にある水俣病の患者相談の記録を一冊にした『みな、やっとの思いで坂をのぼる』には、「やっとの思いで語り出した人びとの声」がぽつぽつと語られています。水俣病は公害の問題、差別の問題、人権の問題、あらゆる問題が重なり合いながら、地続きに存在します。私たちは忘却せず、もっと知る必要があると感じます。

写真展は今週末まで。ぜひお越しください。

📚TOUTEN BEST ( 2026.4.6-2026.4.19 )

水俣からあなたへ 9人の写真家が見つめた水俣病の70年(一般社団法人 水俣・写真家の眼、芥川 仁、石川 武志、北岡 秀郎、桑原 史成、小柴 一良、塩田 武史、アイリーン・美緒子・スミス、田中 史子、宮本 成美=文・写真、藤原 辰史/リトルモア)
長く水俣を見つめてきた写真家が切り取った、水俣の海・人・暮らし。時人間の尊厳、経済性重視の暴力、一人ひとりの暮らし。写真が語るものが多く、1ページ1ページが重く、力強い。巻末には藤原辰史さんによる寄稿「なぜ水俣を撮った写真家たちの作品に目を奪われるのか」と、水俣病についてQ&Aで伝える「もっと知りたいあなたへ」が収録されています。一人でも多くの人に開いてほしい本です。

ほんとうのことを書く練習(土門蘭 / ダイアモンド社)
作家の土門蘭さんによる、書くことについて。わたしたちはきっと、この本を通してもっと自由に書く=生きることができる。文章を書きたい、と思っている人にはもちろん、自分の気持ちをうまく発露できないと感じる人や、どう表現したらいいのかわからない人にもぜひおすすめしたい1冊。たっくさん仕入れたのでどかーんと積んでいたら今年も開催する「ちょっと本屋に行ってくる。展」の打ち合わせに来たHさんが積み具合に笑いながら買ってくださった。

本なら売るほど 3(児島青/KADOKAWA)
古本屋「十月堂」を舞台にさまざまな愛書家たちの人生の機微を描く短編連作シリーズ。当店でも大人気です。私も好きな漫画。『本なら売るほど 1』『本なら売るほど 2』も販売中です。

超個人的時間旅行 文庫版(藤岡みなみ=編集、早川書房)
上田誠、小原晩、こだま、pha、宮崎智之、牟田都子ほか20名超が集結。「現実の中のタイムトラベル」をテーマにエッセイをつづる。

👀展示&イベント情報

1階展示情報【26.4.7-5.9】パレスチナとつながる写真展PROJECTマクルーバ写真展「私たちが見たパレスチナ」
パレスチナで生きる人々のことを写真で伝え、共に生きることを模索するマクルーバさんの写真展「私たちが見たパレスチナ」を今年も開催。今回のトークイベントゲストは中東パレスチナ×日本のカワイイを届けるお店「架け箸」を運営する髙橋智恵さん。マクルーバのZINEvol.3も、架け箸さんが2025年夏にパレスチナ・ヨルダン川西岸地区の暮らしを訪ねた記録が特集されています。ナクバの日が近づくタイミングです。パレスチナについて話し続ける機会になればと思います。

2階展示室【26.4.13-25】水俣写真展&トークイベント「写真が語る、言葉がつなぐ」
TOUTEN BOOSKTORE2階展示室にて水俣写真展を開催中です。ながく水俣を見つめてきた写真家が切り取った、水俣の海・人・暮らし。時空を超えて語りかける写真のことば。最終日夜には、水俣病・東海の会代表の原武千潮さんと、水俣病センター相思社/水俣病歴史考証館職員の永野三智さんとのトークイベントを開催します。ぜひお越しください。

2階展示室【26.5.1-16】カニコ/イラカアヅコ イラストレーター2人展 「いっぱいはなまる」
愛知を拠点に活動するイラストレーター、カニコさんとイラカアヅコさんの二人展。いっぱいはなまるな展示、ぜひお越しください。

イベント

【アーカイブ配信中】シリーズ「あいだで考える」(創元社)創刊3周年記念 香山哲×ひうち棚 二人展記念トークイベント 香山哲×ひうち棚×矢萩多聞(聞き手)「いま、本をつくるときに考えていること」
展示記念トークイベント!トークテーマは「いま、本をつくるときに考えていること」。シリーズ「あいだで考える」のブックデザインを手がけている矢萩多聞さんを聞き手に、「あいだで考える」の本の装画・挿画をどのように作り上げていったのか、また、「自分で本をつくる」といった行為について考えていることなどをたっぷりお話いただきました。お三方の作品のファンの方にはもちろん、いま本をつくっている人、つくりたいと思っている人にとっておすすめしたいイベントになります。

【26.4.24】NO WAR! プラカを作ろう会(インスタリンクです)
(主催・文:henachocofeminist)古雑誌や古新聞を切って貼ってコラージュして、オリジナルのプラカードを作ります!持ちものは特に要りません。反戦・反差別・平和を愛するきもちだけ持ってきてください🕊手を動かしながら、不安やもやもやした気持ちも共有しましょう〜🫶

【26.4.25】水俣写真展最終日夜のスペシャル企画トークイベント「沈黙をひもとく」
4月13日から25日にかけてTOUTEN BOOSKTORE2階展示室にて開催される水俣写真展の最終日夜に、水俣病・東海の会代表の原武千潮さんと、水俣病センター相思社/水俣病歴史考証館職員の永野三智さんとのトークイベントを開催します。”原武さんが長い沈黙を破って伝えたいことはなにか。語ることは、社会の何を変える力になるのか。人間の尊厳の守り方についてのお話を聞いてみたいと思います。”(永野三智さんより)

【26.4.29】『交差点で デザイン、言語、経験』出版記念イベント「ローカルとグローバルの交差点でできること」
『交差点で:デザイン、言語、経験』は、オランダを拠点とする6組のデザイナーさんたちに「文化的な表象」について話を聞いてまとめたインタビュー集。「異なる」文化圏の視覚的表現をどうデザインの中で使うかという創作の話だけでなく、「他者」や「異文化」という概念はどう生まれるのかという話にまで広がっていきます。著者でデンマークを拠点に活動するグラフィックデザイナー・環境活動家の平山みな美さんと、愛知県を拠点に活動するグラフィックデザイナー・市民活動家の箕浦希奈さんが、この本の内容を深掘りしながら、個人のデザイナーとして、市民として、本の外でどんなことができるのだろうと問いかけます。1つの答えがある問いでないからこそ、みんなで考える、意見を共有する場になると嬉しいです。ぜひご参加ください!

【26.5.9】パレスチナとつながる写真展PROJECTマクルーバ写真展「私たちが見たパレスチナ」トークイベント ゲスト・ 髙橋智恵(架け箸)
パレスチナで生きる人々のことを写真で伝え、共に生きることを模索するマクルーバさんの写真展「私たちが見たパレスチナ」にあわせ、トークイベントを開催します。ゲストには中東パレスチナ×日本のカワイイを届けるお店「架け箸」を運営する髙橋智恵さんをお招きしてトークイベントを開催します。マクルーバのZINEvol.3も、架け箸さんが2025年夏にパレスチナ・ヨルダン川西岸地区の暮らしを訪ねた記録が特集されています。ナクバの日が近づくタイミングです。パレスチナについて話し続ける機会になればと思います。

【26.5.10】TOUTENおしゃべりCLUB「名古屋でブツブツ言ってます。フェミニズムの話。」
YouTubeチャンネル「ポリタスTV」の公開収録企画になります。ゲストに菊地夏野さんを再びお迎えして、フェミニズムの中のモヤモヤを菊地さん、水野さん、古賀の3人でおしゃべりします。

AFTER TALK

水俣の写真展に合わせて水俣の甘夏みかんを販売していました🍊(2日で完売したのですが、追加が入るかも?!の状態です)生産者であるエコネットみなまたさんの言葉も良い。

不知火海は、チッソが流した有機水銀によって汚染され、破壊されました。その海のこれ以上の汚染をくい止め、よみがえらせ、守っていくためには、私たち自身の生活のありようが問われていると考えます。自然の営みと循環していける私たちの暮らしを、そしてそのことを裏づける技術を私たちの手に取り戻していけたらと思います。

「エコネットみなまたとは」より

とてもおいしかったです。甘夏みかんを購入いただいたSさんから「ムッキーちゃん」という皮を剥くための道具を教えてもらったのですが、スッと剥けて感動しました。暮らしに小さな変化をもたらす系の道具、久々に出会えてうれしい。

ちなみに甘夏は今年、大豊作だそうで、Saleにもなっておりました。通販サイトも貼ります!ぜひご賞味ください🍊

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING 『フェミニズム』(江原由美子/岩波書店)

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