TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #109

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.06.23
誰でも

#109 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷

  • TOUTEN ベスト (2026.6.8-2026.6.21)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🍉HELLO🔑

こんにちは!

6月に入り、ハンセン病を知るための展示を行いました。全国のハンセン病療養所を訪ね、衆院議員として国賠訴訟に尽力してきた瀬古由起子さんのトークイベントがありました。かつて「無らい県運動」という、ハンセン病患者を強制的に入所・隔離させる官民一体となった差別的な運動があり、愛知県はその発祥の県でした。ハンセン病は治るものであり、感染力もとても弱いものだったにも関わらず、患者を強制隔離した「らい予防法」の影響で偏見・差別は残り、今も遺族のもとに帰れない遺骨があると聞きました。退所の規定すらなく、強制労働や優生思想に基づく人工妊娠中絶まで行われていた『らい予防法』が廃止されて30年。差別をなくすため、そして忘却しないために、必要な展示だったと思います。現在国立ハンセン病資料館では企画展「ハンセン病療養所のなかの「外国人」」が開催されるそうなので、会期中に行きたいなあ。

イベントの翌日は大阪への出店。久々に会えた人たちがいっぱいで、ホクホク。

そして先週から、2階展示室ではパレスチナのこどもたち 写真展+絵本作家の絵画展「つながる世界」が始まりました。こちらは今週末までですが、こんなにたくさんの絵本作家さんの原画が並ぶことはもうないかもしれない……。展示を運営している吉田尚令さん、すごすぎる。吉田さんの絵も、すばらしいです。一人一人のパレスチナへの思いが直筆の手紙でも綴られていて、さらにJVCの写真も相まって、胸が詰まる思いがする。先日はある大学の学生さんたちが当店で本を選ぶツアーがあったのですが、「展示に心を奪われた」と言う感想があり、こうして場をひらいて、目に触れて、問題を共有していくことの必要性を改めて実感しました。時間はかかるけど、やり続けていかないといけない。「なぜスイカなんですか?」と聞かれることもだいぶ減ってきたけど、答えられる限り答えていかなければ。一人分のちから。

展示の様子

展示の様子

展示の様子

展示の様子

寄付のためのポストカードセットもあります。

寄付のためのポストカードセットもあります。

1階では、名古屋の銭湯をテーマにZINEを作ると聞いてすぐオファーさせてもらった「ひつじの名古屋銭湯図鑑原画展」と、展示の相談を受けてぜひ!と即答した「Good Tissue Company POP UP」が始まりました。先週末は2日連続のサッフォー祭りが無事終了!どちらのイベントも、トーク後の時間まで、めちゃくちゃ盛り上がっていてよかった〜!の気持ち。家父長制は天皇制に行き着く。もっと話していかないとな。アーカイブも配信中ですのでぜひ!

一昨日はぐったりしてふか〜く寝ました。歳を取れば取るほど寝ることの偉大さがわかる。

📚新入荷

犬のうんちとわかりあう(三好愛/ミシマ社)
「うんちは、寡黙で実直に、世界を伝えてくれています。」絵と言葉が、それぞれ別の道をたどりながら、濃淡ある日々の中で交差する。稀代のイラストレーターによる、「人とものとの距離」をめぐる待望のエッセイ集。子どもと、他人と、ものと、自分自身と…日常の見慣れた関係が、ちょっと動き出す。

男には簡単な仕事(ニイマリコ/タバブックス)
80~90年代カルチャーを全身に享受して育ち、ミュージシャンとして活動を続ける著者は、30歳を過ぎて「ノンバイナリー」という言葉を知る。「自分らしく生きる」ことの窮屈さも、恐れも、自由も、よろこびも、その全部をここに記した著者初エッセイ。

アナキスト革命(ジョージ・バレット、鈴木靖之=訳/マヌケ出版社)
国家とは何か。権力はなぜ存在するのか。自由な社会は可能か。そして、その方法とは?20世紀初頭のイギリス。28歳で急逝した若きアナキスト思想家、ジョージ・バレットによるアナキズム入門書にして、革命の書。

パンセクシュアル宣言(周司あきら/サッフォー)
なぜ人は一つの性別しか好きにならないことになっているのか?バイセクシュアルやパンセクシュアルの立場から問う。「恋愛のカタチを揺さぶるフェア」も開催予定です!またお知らせいたします。

WORKSIGHT[ワークサイト]30号(学芸出版社)
ルールが壊れ情報が氾濫する2020年代は、まるでかつての中世のようだ。そこで「現代は中世である」という仮説のもと時代の再解釈を試みる。中世の再来を予言したU・エーコ、占星術研究家・鏡リュウジや現代魔女・円香、中世ゲーム研究、政治学者が読み解く「中世という過渡期」を経た、現在の地政学「それ以降の世界」まで。

📚今週の1冊📚


ジェンダー読書会なごや・古田テツさんのエッセイZINE。

幼少期、家庭内で起きたDV・児童虐待の記憶に蓋をして生きてきた「M」さんが、妊娠・出産を通じて過去と向き合わなければならなくなった経験を綴っています。

フェミニズムの視点から過去を見つめ直すことで、「母親らしさ」や「家族なんだから」といった社会から要請される呪いを可視化し、家父長制がもたらす暴力や抑圧を批判します。家制度は解体されたのにも関わらず、「家」という小さな社会の中で、家父長的はものは連鎖している。その中で生じるズレは「個人」に押し込められる。そこから抵抗するために、フェミニズムは存在しているのだ。終盤のバスに乗る時のエピソードには、どうしても泣いてしまう。「M」さんが社会と繋がった瞬間を象徴する出来事だと感じるからだ。

エッセイの合間には古田さんのおすすめの映画のほか、実際に起きた事件への言及がある。それは「フェミニズムの届かない沼で」起きたことなのだ、と思えてならない。沼は今も、わたしたちの社会に多く存在している。本書は重く、その装丁のように仄暗さを抱えながらも、今もあちこちにある誰かの沼を照らす光になるはずだ。届いてほしい、と願いながら、本書を店頭に並べ続ける。

📚TOUTEN BEST (2026.6.8-2026.6.21)

フェミニズムの届かない沼で(ジェンダー読書会なごや)
幼少期、家庭内で起きたDV・児童虐待の記憶に蓋をして生きてきた「M」が、妊娠・出産を通じて過去と向き合わなければいけなくなった経験を綴ったエッセイZINE。フェミニズムの視点から過去を見つめ直し、家族とは、母親とは何か、家父長制がもたらしたものを問う。沼はすぐそこにある。本書は重く、仄暗さも持っているが、今もあちこちにある誰かの沼を照らす光になると思う。

コーヒーは男のもの?(中村佳太/サッフォー)
味の違いが分かるのは男?焙煎は男の仕事?京都の焙煎家が思い描く多様で平等なコーヒーの世界。 誰もが安心してコーヒーを提供できる業界へ。 誰もが安心してコーヒーを飲める社会へ。ジェンダーのことを考えるきっかけの1冊としてもおすすめです。

バラバラな世界で共に生きる(朱喜哲/NHK出版)
わかり合えない他者を、敵にしないために。分断が極まり、「正しさ」がSNSでぶつかり合う社会で、私たちは他者といかに語り合えるか。アメリカの哲学者リチャード・ローティは、共通の基盤なき世界でそれでも人が共に生きる可能性を問い続けた。その哲学から、分極化の時代を生きるための知的作法を鮮やかに引き出す。トークイベントも開催します!ぜひお越しくださいませ〜!

現代思想2026年6月臨時増刊号 総特集=フェミニズムから問う(青土社)
2010年代後半以降、#MeTooなどの動きとともに盛り上がりをみせたフェミニズム。その歩みは同時に、絶えざる分断と簒奪に向き合い抗うことを余儀なくされてきた。世界がますます混迷を深めるいま、進むべき道はどこにあるのか。フェミニズムから、フェミニズムとともに、フェミニズムへと、いま何が問われねばならないのか。本特集では多様な領域を超えてその理論と実践の現在地を一望する。

シモーヌ 2026年冬号(サッフォー)
分断と孤立を超えるための、フェミニストによるコレクティブマガジン『シモーヌ』。【特集1】フェミニズムから見たやまゆり園事件とその後の10年【特集2】買春処罰は誰のため?
広く読まれてほしい雑誌です。

👀展示&イベント情報

【26.6.17-6.27】パレスチナのこどもたち 写真展+絵本作家の絵画展「つながる世界」
私たち絵本作家は、こどもたちに向けて児童書を作っています。今もなお、大勢のこどもたちが血を流し、泣き叫ぶ状況に対し、私たちが声を上げること、表現すべきことがあるのではないか?と考え、展覧会を開催しようと考えました。絵本作家による絵画作品と、パレスチナのこどもたちの写真が並ぶ展覧会です。今週土曜までです。ぜひお越しください。

展示のフライヤーです。

展示のフライヤーです。

【26.6.17-7.18】ひつじの名古屋銭湯図鑑
ZINE「ひつじの名古屋銭湯図鑑」の発売記念原画展を開催中です。銭湯好き・俯瞰図好きはぜひ!

驚きの再現度の高さ。

驚きの再現度の高さ。


【26.6.17-7.18】Good Tissue Company POP UP
より良いティッシュを作る架空のティッシュブランド『Good Tissue Company』のPOP UPショップです。1点1点手作りのぬいぐるみたちは表情が微妙に異なります。

かわいいぬいぐるみたちが並ぶ。

かわいいぬいぐるみたちが並ぶ。

👉👉👉👉👉つぎの展示👉👉👉👉👉

🎫🎫🎫🎫🎫イベント情報🎫🎫🎫🎫

アーカイブ配信中!【26.6.20】中村佳太✕古田テツトーク&茶話会「家父長制の沼から抜け出すための茶話会 〜コーヒー業界と子育ての労働から考える〜」
京都で焙煎所を営みながらコーヒー業界のジェンダーギャップ解消を目指す中村佳太さん。名古屋でジェンダーにまつわる本の読書会を開催している古田テツさん。都心から離れたところでジェンダーについて考える活動をしているおふたりの単行本とZINEの発売を記念したトークイベントを開催しました。家制度が廃止になっても消滅しない家父長制の沼から抜け出すために、ともに考える時間でした。

アーカイブ配信中!【26.6.21】菊地夏野×古賀詩穂子×山田亜紀子トーク「フェミ本屋&編集者がおきくと考える!これからの左派メディアとフェミニズム」
現在のフェミニズムを考えるうえで避けては通れないトピックを取り上げながら、左派メディアとフェミニズムの可能性を考える時間に。菊地さんの論考およびナンシー・フレイザーとの討議が収録されている『現代思想臨時増刊号:フェミニズムから問う』の読みどころなどを紹介する「おきく解説」タイムもありました。ぜひ聞いてください!

【26.6.28】マクルーべを囲みながらパレスチナについて話す会
6月17日より開催の「パレスチナのこどもたち 写真展+絵本作家の絵画展「つながる世界」のクロージングイベントとして開催します。東海エリアに住む外国籍や外国にルーツのある方々の"忘れられない一品"を掘り下げるNHKのグルメドキュメント番組「あのとき、何食べた?」では、2025年1月15日に「マクルーべ」が特集されました。今回番組に登場したパレスチナにルーツを持つアブダッラー・ジャミール・アブダッラー・ズレイガッドさんと、番組を制作したディレクター・大島悠也さんといっしょに番組を視聴して、(その場でひっくり返す予定の)マクルーべを実際に食べながら、番組についてや、パレスチナについてのお話を聞いたり、集まったみなさんとおしゃべりする会を開催します。頑張って用意します!

【26.6.26】READING GHOSTS(予約不要)
金曜日の夜営業の時間にひっそりと現れる「READING GHOSTS」。ただ読書をする時間を共有する場所です。18時から20時までは2階のカフェ席は読書席となります。20時から21時はなにを読んだか、最近の本の話など、その場で居合わせた人たちと読書会をします。今月の読書会「たたかわないビブリオバトル」のテーマは、「赤い本」。おすすめの赤い本を教えてください。赤が印象的な本、タイトルに「赤」が入っている本などをおすすめしあいましょう📕

【26.7.10】東海ゆるブックラブ 第一回 作品カフカ 「掟の前で」
(主催:南部さん、新城さん)読んでこなくてもその場で読める、また討論したくなるような作品を取り上げて、文学の楽しさ、読書会のよろこびを体験できるような会を目指しています。第一回の取り上げる作品はカフカの 「掟の前で」です。光文社古典新訳文庫『変身/掟の前で』(フランツ・カフカ、丘沢静也=訳/光文社)に収録されています。

【26.7.18】『非核三原則 ーいま、何が問われているのか』刊行記念トーク 浅野英男✕羽田蒼馬「非核三原則見直しと語られるいま、私たちは何を問われているのか?」
「安保3文書改定」「非核三原則見直し」報道されることが多くなったこれらの言葉ですが、それ以上深堀りされることはあまりありません。成立するまでの歴史や立ち位置を少し深掘ると、意外と綱渡りな道のりの延長線上で、いま「非核三原則見直し」が検討されている…ということが見えてきます。それでは実際に見直したら、現実的にどんな課題が出てくるのか?日本や東アジア、世界の将来はどうなるのか?どうしたら平和に向かうことができるのか?共著者の1人である浅野英男さんをお迎えしてお話しいただきます。ぜひご参加ください。

【26.7.25】和泉悠✕朱喜哲トークイベント「バラバラな世界で共に生きるために、悪いことばから考える」
ことばと社会について思考し、実践を続ける言語哲学者・和泉悠さん&朱喜哲さんによるトークイベントを開催します!互いにバラバラなまま、どうすれば共に生きていけるのか。悪いことばから見つめることで、考える時間になればと思います。ぜひご参加ください!

AFTER TALK

今週日曜のクロージングイベントで用意するマクルーベの練習を今晩するのですが、そのために足りないスパイスを買いに金山のハラルショップに先日行ってきました。久々に行ったけど、使ったことのないスパイスもあってめちゃくちゃたのしい。帰り道、外国人むけの経営・管理ビザの厳格化について考える。資本金要件が500万円→3000万円に上がったこと、同時に1人以上の常勤職員が必要になったこと。(常勤職員についての説明リンク)これによって店を畳まざるを得ないところも多く出てくるだろう。今、日本で暮らしているインドカレー屋さんなど、多くの飲食店への打撃が想像できる。飲食店がなくなれば、こうしたハラルショップにも大きな影響が出るはずです。これは「ペーパーカンパニー対策」らしいけれど、店舗の実態が確認できれば現行のままでも良いのでは?とシンプルに思う。

日曜にゲストで来てくれるNHKディレクター・大島さんが「まるっと!」の中で取り上げていました。理不尽に子どもに影響が出ていて、本当、そこで暮らしている人たちのこと考えてよ!日本政府!と憤慨する。見れる方はぜひ!

こういう署名もありますよ✍️

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING 『みえないもの』(イリナ・グリゴレ/ 柏書房)

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