TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #108

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.06.09
誰でも

#108 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷

  • TOUTEN ベスト (2026.5.25-2026.6.7)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🦷HELLO

こんにちは!

本日は熱田空襲があった日から81年。当時、軍用機を生産していた愛知時計電機・愛知航空機が狙われ、学徒動員の学生たちを含む2000人以上の人が亡くなりました。跡地・平和地蔵尊にて追悼式が今年もあったそうです。私も店で追悼しました。今年も8月13日 ~ 19日にかけて「熱田空襲を知る展」を開催予定です。無事、開催できますように。

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出版関係者の中では話題になっていたニュース。

29日の決算記者会見で富樫建社長は「取次事業の撤退も検討しなければならない環境が迫っているという危機感を持っている」と述べた。

上記日経の記事リンクより

個人的には、冨樫さんのこのセリフには結構ギョッとするものがありました。「言っちゃうんだ!」みたいなギョッ。(かなり複雑な気持ちを持っています。)以前から返品についてはトーハンと協業になったり、コンビニの配送をやめたり(トーハンが引き継ぎましたね)、帳合変更もかなりあったし、早期退職募ったり、書店への営業がどんどん減っていったりと、縮小傾向にはあるなあと思っていました。でも新しい発注ツールについては私は評価していて、UIとかは全然よくないんですが、それはもう改善の余地ありまくりなんですが、新刊の流れが見やすくなって、発注ツールとしてありがたいと思っています。本屋向けのサービス向上ってここ数年でこれぐらいではなかろうか。

私は日販で3年ほど書店への営業をやってきたので、当時のことを思い出しながらたくさんの思いや考えがよぎるんですが、日販はもっと本屋に期待してもよかったんじゃないの、とめちゃくちゃ思っている。(特に町の本屋に対して。)流通網を使って本以外の商材に目を向けるのも、自社で本屋つくっちゃうのも別に構わないんですが、あまりにも「右肩下がり」を内面化しすぎてしまっていたと思う。本屋で本が売られることにもう少し希望を持つべきだったのではないか、と思っています。

私が取次を辞めた最後の最後の理由として、「本屋に行く人を増やす仕事」をできなかったことにあります。そういう部署自体なかったし(近しい部署は昔あった)、今だったら書店営業の立場としてそういう提案をもっとできただろうな、と思います。ちなみに、本を読まない人のほうが多いんだから、チャンスだらけなのでは?というふうには今も思っています。

取次の場合は、まず本の流通における利益構造をしてこなかったことのツケというか、壁の目の前に来ちゃった、みたいな感じなんだろうと思います。注文品(既刊の本)を送ってもほとんど利益にならないのですから。そんな中ほとんど毎日発送があって、伝票がまとめて起票されて、翌月末精算でお支払いをする。めちゃくちゃありがたい存在だと今も思っていると同時に、なぜもっと余力があるうちに取り組まなかったの?!と聞きたい、教えてくれヨオ。

ここから構造改革するには、あまりにも痩せ細りすぎてしまったと思うけれど、踏ん張って頑張ってほしい……。本を売ること、本が人の手に渡ることの積み重ねによって出版取次事業があることを、忘れないでほしい。

📚新入荷

フェミニズムの届かない沼で(古田テツ/ジェンダー読書会なごや)
幼少期、家庭内で起きたDV・児童虐待の記憶に蓋をして生きてきたMが、妊娠出産を通じて過去と向き合わなければいけなくなった経験を綴る。フェミニズムの視点から過去を見つめ直し、家族とは何か、母親とは何か、家父長制がもたらしたものを問う。20日はトークイベント中村佳太✕古田テツトーク&茶話会「家父長制の沼から抜け出すための茶話会 〜コーヒー業界と子育ての労働から考える〜」を開催します!コーヒー(デカフェもある!)楽しみながら家父長制の沼について、語らいましょう〜☕️

『エトセトラ VOL.15 特集:部落フェミニズムに呼応する』(エトセトラブックス)
部落にルーツを持つ女性9 人の生活や活動、研究を通して「部落」を語り直した『部落フェミニズム』刊行から1 年。その声に「呼応」するかたちで、多様な立場からの応答が集められた特集号。部落、在日コリアン、障害女性、クィア、トランスジェンダー、沖縄、反天皇制、女性史など、複数の視点からフェミニズムと複合差別を見つめ直し、経験を聞き合う。

はじめての公共訴訟(井桁大介、亀石倫子、谷口太規、丸山央里絵/集英社)
差別、労働、環境問題、ジェンダー、社会保障──さまざまな課題に対し、裁判という方法で社会のあり方を問い直し、変革を働きかけるのが「公共訴訟」である。本書は、実際の事例や当事者の物語を手がかりに、その歴史と役割を解説。公共訴訟はどのような戦略、連帯によって社会を変えてきたのか。裁判を「社会を動かすツール」としてとらえ、個人の声が制度や社会を変えていくプロセスと、その可能性を示す入門書。

メザメザメ 春(手差しユニッツ/つくづく)
手差ユニッツによる、毎朝決まった時間に起きるメザメザメの日常を描いた4コマ漫画集『メザメザメ』。「春」の季節です。メザメザメも、判型も、空気感も、どれもかわいい。

📚今週の1冊📚

本チャンネルの新企画「店主の推し5冊」にて、またまた5冊、ノンストップで紹介しました!すでにTOUTEN BEST本とかぶっていて、なんだかうれしい。裏話ですが今回はセルフで撮影しました。角度が難しすぎて生え際見せるスタイルになっていて少しお恥ずかしい。オオクボリュウさんのキャラたちがかわいいです。栞配布しております!

📚TOUTEN BEST (2026.5.25-2026.6.7)

パタパタどうぶつえん(岡田善敬 タケウマ=絵/ブロンズ新社)
真ん中にはさまれた短いページを左右にめくると、動物たちが歩いたり、跳ねたり、生き生きとうごきだすように見える、シンプルなのに驚きいっぱいの絵本です。躍動感あふれる動物たちの姿が、パタパタめくるうごきとぴったりかみ合い、読んで楽しく、遊んで楽しい一冊です。タケウマさんのサイン・スケッチ入り!

バラバラな世界で共に生きる(朱喜哲/NHK出版)
わかり合えない他者を、敵にしないために。分断が極まり、「正しさ」がSNSでぶつかり合う社会で、私たちは他者といかに語り合えるか。アメリカの哲学者リチャード・ローティは、共通の基盤なき世界でそれでも人が共に生きる可能性を問い続けた。その哲学から、分極化の時代を生きるための知的作法を鮮やかに引き出す。トークイベントも開催します!ぜひお越しくださいませ〜!

現代思想2026年6月臨時増刊号 総特集=フェミニズムから問う
フェミニズムから、フェミニズムとともに、フェミニズムへと、いま何が問われねばならないのか。本特集では多様な領域を超えてその理論と実践の現在地を一望する。6月21日のトークイベントでは、菊地夏野さんによる解説もあります!(オンラインもあり!)こちらも要チェックです〜!

台湾ユージ(有事)とソンリツ(存立)危機事態がなんとなくわかる本(犬川わか)
2025年11月にあった、首相の「台湾有事は(中略)存立危機事態にあたる」という発言。何が問題だったのか、素人である著者が有識者の手を借りて台湾有事問題をひもとき、イラストで解説。まずは問題の概要をザックリと知りたい方、文字だけの本は読んでて疲れる、どこまで読んだか分からない‥といった方にお勧めの1冊。

交差点で デザイン、言語、経験(けはい出版/平山みな美=編)
デンマークを拠点に活動するデザイナーで環境活動家の平山みな美さんが、6組のオランダを拠点に活動する実践者に「文化的な表象という言葉から思い浮かべるオブジェクト」を持ち寄ってもらい、視覚表現に潜む政治性や、世界から見た日本に触れながら、分断が進む中でどのようにお互いを理解し、尊重し合えるのかをデザインを通して考えたインタビュー集。

👀展示&イベント情報

【26.06.10-13】「らい予防法」廃止から30年 偏見・差別の"いま"を問う ハンセン病展
かつて「らい病」と呼ばれ、恐ろしい不治の病とされたハンセン病。実は感染力の非常に弱い感染症でした。患者を強制隔離した「らい予防法」が廃止されて30年の今年、非情な「無らい県」運動の発祥地・愛知で偏見・差別の"いま"を問います。

1F POPUP情報【26.5.12-6.13】BOOKSELLERS CLOTHING issue POP UP
今年も「本屋に行こう」を合言葉にした書店限定・アパレルグッズブランドBOOKSELLERS CLOTHING issueのPOP UPを当店1階売場にて開催中です。新シリーズの画家・著述家・装幀家の林哲夫さんが描いた「パリの書店を巡って」シリーズ、書店のスケッチが素晴らしい。ぜひ注目して見てみてください。他にも堀内えりかさん、齋藤拓実さん、朝野ペコさんらのTシャツ、トートや阿部春弥・みかさんによるBOOK MUGシリーズも。ぜひ楽しんでいってください📚

🎫🎫🎫🎫🎫イベント情報🎫🎫🎫🎫

アーカイブ配信中【26.5.9】パレスチナとつながる写真展PROJECTマクルーバ写真展「私たちが見たパレスチナ」トークイベント ゲスト・ 髙橋智恵(架け箸)
パレスチナで生きる人々のことを写真で伝え、共に生きることを模索するマクルーバさんの写真展「私たちが見たパレスチナ」にあわせ、トークイベントを開催しました。ゲストには中東パレスチナ×日本のカワイイを届けるお店「架け箸」を運営する髙橋智恵さんをお招きしてトークイベントを開催。マクルーバのZINEvol.3も、架け箸さんが2025年夏にパレスチナ・ヨルダン川西岸地区の暮らしを訪ねた記録が特集されています。

【26.06.13】瀬古由起子トークイベント「人間回復のたたかいを前へ」
かつて「らい病」と呼ばれ、恐ろしい不治の病とされたハンセン病。実は感染力の非常に弱い感染症でした。患者を強制隔離した「らい予防法」が廃止されて30年の今年、非情な「無らい県」運動の発祥地・愛知で偏見・差別の"いま"を問う展示に合わせて、トークイベントを開催します。ご予約の上、ぜひお越しください。

【26.6.20】中村佳太✕古田テツトーク&茶話会「家父長制の沼から抜け出すための茶話会 〜コーヒー業界と子育ての労働から考える〜」
京都で焙煎所を営みながらコーヒー業界のジェンダーギャップ解消を目指す中村佳太さん。名古屋でジェンダーにまつわる本の読書会を開催している古田テツさん。都心から離れたところでジェンダーについて考える活動をしているおふたりの単行本とZINEの発売を記念したトークイベントを開催します。家制度が廃止になっても消滅しない家父長制の沼から抜け出すために、ともに考えていきましょう。

【26.6.21】菊地夏野×古賀詩穂子×山田亜紀子トーク「フェミ本屋&編集者がおきくと考える!これからの左派メディアとフェミニズム」
現在のフェミニズムを考えるうえで避けては通れないトピックを取り上げながら、左派メディアとフェミニズムの可能性を考えていきます。また、5月下旬発売の『現代思想臨時増刊号:フェミニズムから問う』には菊地さんの論考およびナンシー・フレイザーとの討議が収録されています。この特集の読みどころなどを紹介する「おきく解説」タイムも予定していますので、どうぞお楽しみに!

【26.7.10】東海ゆるブッククラブ 第一回 作品カフカ 「掟の前で」
(主催:南部さん、新城さん)読んでこなくてもその場で読める、また討論したくなるような作品を取り上げて、文学の楽しさ、読書会のよろこびを体験できるような会を目指しています。第一回の取り上げる作品はカフカの 「掟の前で」です。光文社古典新訳文庫『変身/掟の前で』(フランツ・カフカ、丘沢静也=訳/光文社)に収録されています。

【26.7.25】和泉悠✕朱喜哲トークイベント「バラバラな世界で共に生きるために、悪いことばから考える」
ことばと社会について思考し、実践を続ける言語哲学者・和泉悠さん&朱喜哲さんによるトークイベントを開催します!互いにバラバラなまま、どうすれば共に生きていけるのか。悪いことばから見つめることで、考える時間になればと思います。ぜひご参加ください!

AFTER TALK

いきなり超個人的トークですが、親知らず2本目の抜歯が終わり、無事昨日抜糸も終わりました。(抜歯と抜糸が混合しないように“抜糸=バツイト”って呼ばれているの初めて知りました。)

今週末14日は大阪・枚方に出店します!!!!ひさびさの県外出店、楽しみです〜。万全な歯茎で挑めますように🦷

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING 最近は『茨木のり子全詩集 新版』(茨木のり子/ 岩波書店)を毎日ちびちび読むことで心が保たれています。

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