TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #110

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.07.07
誰でも

#109 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷

  • TOUTEN ベスト (2026.6.22-2026.7.5)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🚶HELLO

こんにちは!

店の前のおうちの解体工事が先週より始まりました。積み重ねていくものも、壊される時は一瞬で、なんとも言えない気持ちになる。店内もしばらくズガガガガガと勢いのある音とともに営業しております。大きな音に驚かれることもあるかもしれませんが、ご容赦ください🙇今週より防音布が取れて中が見れるんですが解体の様子はついつい眺めてしまう。シザーハンズのユンボみたいなやつがすごくて。私だったら乗っている最中に隣の家を壊してしまうイメージが頭に浮かんで指先が震えそう。圧倒的な力。

さいきん、ケアレスミスがふえていて、毎日のように凹んでいます。ケアレスミスがふえたのは寝不足による注意散漫と、忙しさレベルが上がったことが大きいと思います。ケアがレスしているんですから、ケアレスミスをなくすには準備を念入りにできる時間を確保することが必要なんですよね。そう、知っているはずなのに、忙しさレベルを下げようとせず、睡眠時間を犠牲しているのはダメすぎる。ミスすると相手に迷惑をかけてしまい、それにより自分のことが毎回、本当に、だいっきらいになります。けっこう自分を責めてしまうんですね。そのくせ自分のキャパシティを過大評価して、両手いっぱいに仕事を抱えようとしてしまう。大は小を兼ねるマインドが染み付いてしまっている。「できないこともない」=「できる」という精神でやってきたことで、できなくなっていることがふえているという反省。「できない」を認め、見定めること、それが経験なんだろうなあ。

ということで「やめてみる」というのは今年のテーマになりそうです。今年ももう半分がすぎましたが。日常業務をすこやかに。

📚新入荷

茨木のり子全日記 Ⅰ 1949-1952/1955-1962(茨木のり子/katsura books)
医師・三浦安信と結婚した1949年11月、大学ノートに日記を書き始めた。1955年からは日記帳に、詩人たちとの交流、書いた詩のこと、日々のこと、晩ごはんのおかず、映画や演劇の批評、読んだ本、世相のことを綴った。そして日記は、1975年、最愛の夫・安信が逝くと空白が目立つようになり、その二年後、日記帳は閉じられた。没後二十年の時を経て、詩人茨木のり子の穏やかな魅力ある日々、ニ十七年間の日記を公開する。全3巻の第1弾。

進め!白鼻進(増村十七/小学館)
いつの間にか、戦争は始まった1933年、それは日本が国際連盟を脱退し、ドイツではナチスが政権を握った年。ひとりの売れない漫画家・白鼻進(はくびしん)は、人生最大の賭けに出た。『のらくろ上等兵』をパロッた『ぶちねこ四等水兵』という漫画で大ヒットを作り出そうという彼の野心は、戦争への予感が色濃くなった時代にマッチして、誰も想像し得なかった地位へと彼を連れて行くが…『バクちゃん』増村十七の最新刊!

スペクテイター〈56号〉場づくりのヒント(エディトリアル・デパートメント)
SNSやAIとの対話に時間を奪われ、リアルなコミュニケーションの機会が減っている。一方で、そんな暗い状況を好転させるための「場づくり」が各所で始まっている。独創的なアイデアで人が交わる場をつくっている実践者たちとの対話から、これからの時代を生き抜くためのヒントを探る。山坂の特集も読めて嬉しい!!!

発光せえ身体(松橋裕一郎・少年アヤ/rnpress)
性的マイノリティとして生きる著者と、不審者の襲来。郊外への引っ越し。再構築するパートナーとの暮らし。コロナ、からの鬱。そして迫り来る生と死。自死とはなにか? 宇宙とはなにか? それでも生き延びようとする著者の記録。

📚今週の1冊📚

7月5日より原画展が始まりました。高木りゅうぞうは1968年、愛知県出身。91年に講談社「ちばてつや賞」で準入選に輝き、その将来を嘱望されつつも、93年(当時26歳)に夭折した漫画家です。講談社の青年マンガ誌で発表された作品群は当時、高い評価と共感を呼び、主として90年代以降のニューウェーブ系マンガの世界に広く影響を与えたと言われています。

私が高木りゅうぞうを知ったのは2024年のTOUTEN BOOK CLUB テーマ「今年読んだおすすめしたい漫画」の時に、今回展示を企画したHさんが持ってきた追悼作品集「高木りゅうぞう作品集」でした。その時パラパラと見せてもらい、「古い作品なのにあたらしい風が吹いている」と印象に残っていました。それは自分の頭の引き出しで言うと80年代の吉田秋生漫画(『河よりも長くゆるやかに』など)の雰囲気に感じられ、いつの時代に見てもおしゃれな雰囲気を纏った漫画っぽいな、という印象でした。この作品集はどうやら”関係者配布の他、一般向けにはミスターマガジン誌上で抽選一〇〇名にプレゼントされたもの”だったそうで、知る人ぞ知る幻の、その時にはかなりのプレミアがついていたそうです。Hさんは国会図書館を駆使してなんとか読むことができた、と言う話をされていました。

そんな苦労を重ねてきた人が多くいる中、切望され復刊した本書。復刊ドットコムさん、ありがとうございます!実際に読んでみると現実世界に冷めたまなざしを向けつつも、不器用ながらもやさしくありたいと思うアンバランスさがとても魅力的で、言葉のないコマにも宿る空気がやはり、いつの時代に読んでも感じるであろうあたらしい風が吹いている漫画だな、と思います。それにしてもこの時代に「不安なテーブル」という作品を生み出しているのはすごいな、と思う。高木りゅうぞう作品をもっと読みたかったと、ついその将来に対して期待を膨らませてしまいます。まだ出会っていない方は、貴重な原画をたくさん見ることができるこの機会にぜひ。原画展を企画してくれたHさん、ざをんさん(復刊の編集協力にも携わった方)に感謝の気持ちでいっぱいです。

📚TOUTEN BEST (2026.6.22-2026.7.5)

高木りゅうぞう作品集 ツイステッド(高木りゅうぞう/復刊ドットコム)
90年代前半、2年にも満たない活動で多大な影響を遺した天才マンガ家。マンガ通が求める「高木りゅうぞう」の全作品を、商業初の単行本で刊行。

急に具合が悪くなる(宮野真生子、磯野真穂/晶文社)
哲学者と人類学者の間で交わされる「病」をめぐる言葉の全力投球。共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。信頼と約束とそして勇気の物語。映画のチラシの配布もしております。感想はアフタートークで……。

バラバラな世界で共に生きる(朱喜哲/NHK出版
わかり合えない他者を、敵にしないために。分断が極まり、「正しさ」がSNSでぶつかり合う社会で、私たちは他者といかに語り合えるか。アメリカの哲学者リチャード・ローティは、共通の基盤なき世界でそれでも人が共に生きる可能性を問い続けた。その哲学から、分極化の時代を生きるための知的作法を鮮やかに引き出す。
トークイベントも開催します!ぜひお越しくださいませ〜!

暮らしの信じ方(古賀及子/ダイヤモンド社
古賀及子さんの最新刊書き下ろしエッセイ集。サイン本です。特別なことがなければ、語れるものがなければ「ダメ」なのか?そんな風潮を吹き飛ばすように、軽やかに今日を生きるあなたを全肯定する1冊。

👀展示&イベント情報

90年代前半、2年にも満たない活動で多大な影響を遺した天才マンガ家・高木りゅうぞうの全作品が、復刊ドットコムより商業初の単行本で刊行されました。今展示は作品集刊行記念の原画展になります。原画は、昨年発売された高木りゅうぞう作品集『ツイステッド』に収録された各作品の扉と作中より3枚以上を選定、更に同作品集に収録されたイラストも全て展示いたします。そうした合計40枚以上の貴重な原画に加えて、高木さんの遺したノートや画材、イラスト満載の楽器、作品の掲載誌など多くの品も展示。会場限定のグッズもございます。ぜひお越しください。

展示の

展示の

【26.6.17-7.18】ひつじの名古屋銭湯図鑑
ZINE「ひつじの名古屋銭湯図鑑」の発売記念原画展を開催中です。銭湯好き・俯瞰図好きはぜひ!


【26.6.17-7.18】Good Tissue Company POP UP
より良いティッシュを作る架空のティッシュブランド『Good Tissue Company』のPOP UPショップです。1点1点手作りのぬいぐるみたちは表情が微妙に異なります。

かわいいぬいぐるみたちが並ぶ。

かわいいぬいぐるみたちが並ぶ。

👉👉👉👉👉つぎの展示👉👉👉👉👉

2階展示室
7月21日 ~ 30日 石垣りん茨木のり子日記展(katsurabooks)
8月1日 ~ 11日 sanaka EXHIBITION 〔追憶する衣服〕
8月13日 ~ 19日 熱田空襲展

1階展示スペース
7月22日 ~ 8月 29日 戦争ゆるさんほんとにやだいいかげんにしろブックフェア
7月22日 ~ 8月 29日 平和をつくるブックリスト〜BUILD LASTING PEACE〜フェア

🎫🎫🎫🎫🎫イベント情報🎫🎫🎫🎫

アーカイブ配信中!【26.6.20】中村佳太✕古田テツトーク&茶話会「家父長制の沼から抜け出すための茶話会 〜コーヒー業界と子育ての労働から考える〜」
京都で焙煎所を営みながらコーヒー業界のジェンダーギャップ解消を目指す中村佳太さん。名古屋でジェンダーにまつわる本の読書会を開催している古田テツさん。都心から離れたところでジェンダーについて考える活動をしているおふたりの単行本とZINEの発売を記念したトークイベントを開催しました。家制度が廃止になっても消滅しない家父長制の沼から抜け出すために、ともに考える時間でした。

アーカイブ配信中!【26.6.21】菊地夏野×古賀詩穂子×山田亜紀子トーク「フェミ本屋&編集者がおきくと考える!これからの左派メディアとフェミニズム」
現在のフェミニズムを考えるうえで避けては通れないトピックを取り上げながら、左派メディアとフェミニズムの可能性を考える時間に。菊地さんの論考およびナンシー・フレイザーとの討議が収録されている『現代思想臨時増刊号:フェミニズムから問う』の読みどころなどを紹介する「おきく解説」タイムもありました。ぜひ聞いてください!

※満席となりました※【26.7.10】東海ゆるブックラブ 第一回 作品カフカ 「掟の前で」
(主催:南部さん、新城さん)読んでこなくてもその場で読める、また討論したくなるような作品を取り上げて、文学の楽しさ、読書会のよろこびを体験できるような会を目指しています。第一回の取り上げる作品はカフカの 「掟の前で」です。光文社古典新訳文庫『変身/掟の前で』(フランツ・カフカ、丘沢静也=訳/光文社)に収録されています。

【26.7.18】『非核三原則 ーいま、何が問われているのか』刊行記念トーク 浅野英男✕羽田蒼馬「非核三原則見直しと語られるいま、私たちは何を問われているのか?」
「安保3文書改定」「非核三原則見直し」報道されることが多くなったこれらの言葉ですが、それ以上深堀りされることはあまりありません。成立するまでの歴史や立ち位置を少し深掘ると、意外と綱渡りな道のりの延長線上で、いま「非核三原則見直し」が検討されている…ということが見えてきます。それでは実際に見直したら、現実的にどんな課題が出てくるのか?日本や東アジア、世界の将来はどうなるのか?どうしたら平和に向かうことができるのか?共著者の1人である浅野英男さんをお迎えしてお話しいただきます。ぜひご参加ください。

【26.7.25】和泉悠✕朱喜哲トークイベント「バラバラな世界で共に生きるために、悪いことばから考える」
ことばと社会について思考し、実践を続ける言語哲学者・和泉悠さん&朱喜哲さんによるトークイベントを開催します!互いにバラバラなまま、どうすれば共に生きていけるのか。悪いことばから見つめることで、考える時間になればと思います。ぜひご参加ください!

【26.7.27】施設図書館もん・つっちーの出張星読みと選書
今年もやります!つっちーさんの星読み。星読みとは、その人が生まれた瞬間の星の配置をもとに、性格・才能・人生の流れをひも解く手法のひとつ。客観的に自分を見直すことができて、ふっと肩の力が抜ける時間を過ごせるひとときとなるといいなと思います。ぜひご参加ください。

【26.8.1】『子どもの心と体を守るために 親子で学ぶ包括的性教育』刊行記念 小児科医もりしー先生 × 産婦人科医かなっぺ先生トークイベント「子どもを守る性教育は、何を大切にするのか」
「これまでの性教育とどこが違うの?」「包括的性教育は何歳から?」「プライベートゾーンはどう伝えたらいい?」「もし性被害に遭ってしまったら、大人はどう支えたらいい?」
そんな問いを入り口に、家庭や保育・教育の現場で、大人が子どもたちにどんな言葉を手渡せるのかを一緒に考えます。本には書ききれなかった制作の裏側や、これからの性教育への願いについてもお話しします。性教育に関心のある保護者の方、先生、医療・福祉・保育に関わる方はもちろん、「大事そうだけど、何から考えたらいいかわからない」という方にも、気軽に参加していただける夜になればと思います。

AFTER TALK

最近観た話題のもの。⚠ネタバレあるので気をつけて!

映画「急に具合が悪くなる」、観ました。
映画を観ていると原作がふわっと浮かんでくるような、不思議な感覚でした。こんなふうに原作と共存できるのか、と驚きも含み。出会いと偶然、そして最後の真理の言葉は原作の宮野さんの言葉とリンクし、グッときました。マリー=ルーの母の話は、個人的にダブることが多過ぎて、ちょっと冷静に観ることはできなかったけど、その話を受け容れている間、とても癒されていた。そう感じた状況の人は多くいるんじゃないかな、と思う。今も思い出すだけでツンとなる感覚がある。もうそれだけで、個人的には本当、十分な映画だった。パンフ買った。

映画「ゆきゆきて、神軍」、観ました。
youtubeで無料公開中です。『軍旗はためく下で』を連想した。二人の兵隊の死の真相を突き止めるため、そして天皇の戦争責任を問うために生き残った元兵士たちに証言を集めにいく、奥崎謙三という人を追ったドキュメンタリーです。戦場という過酷な状況下で生きるということの凄惨さや語りにくさがその証言から生々しく伝わる。戦争は終わった後も続いている。戦争は人の精神も破壊する。これが90年代の時代の空気の中サブカル消費されていたという話を見たけど、マジか……。奥崎氏の暴力と演出的すぎる振る舞いは観ていてしんどくなる部分もあります。あと私の耳では言葉が聞き取りづらく、字幕が欲しいと感じるなど。

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING 『戦争と五人の女』(土門蘭/河出書房新社)←7月下旬発売予定です

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