TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #107

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.05.27
誰でも

#107 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷

  • TOUTEN ベスト (2026.5.4-2026.5.24)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🫠HELLO

こんにちは!ほぼ隔週火曜更新と言いつつ、昨日の夜歯医者にいる時に火曜なのに気づき、「ほぼ」の体裁すら保てるかわからない時間感を生きております。体感3月くらいのスピードですが、もう5月も終わりますね……。風邪が流行っているそうですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。終わらない戦争や攻撃、あらゆるものの値上げ、政治への不信感。精神的疲れもあるよね、と今日お客さまとも話しておりました。

最近では森道市場もあったりと、遠方からも友人たちが訪ねてくれて、私自身は政治や社会が不安だよね、という話がたくさんできるので現状ではなんとか元気にやっていけておりますが、皆さま、本当にご自愛ください。ほっと一息、本屋の空間も使ってやってください。

朱喜哲さんの新書『バラバラな世界で共に生きる』を読んで思ったこと。朱さんの研究対象の哲学者・リチャード・ローティは、哲学は人類が会話を続けるためにある、という。会話が終わる時、それは人と人の分断を指し示す。どうすればバラバラなまま、他者と会話を続けていけるとか、という実践的な試みも含む本です。

読み終わった私的の解釈として今の政治における説明不足はまさに「会話を終わらせているもの」ではないか、と思いました。「ナフサは足りている」という断言して終わる態度も、会見が行われないままのいくつかの問題も。そして本書では言葉は社会を作るという話も出てきますが、SNSで交わされる言葉もまた、会話を続けるためのものではない態度が散見される。そういった言葉づかいが作る社会で人は自然と分断される。言葉一つで「右」「左」に分けられる。バラバラな世界はそのまま強固になって、分かれていく。市民が割れれば割れるほど、強いリーダーが求められる。そうなると為政者には都合がいい。

もっと会話を続けるためにどうしたらいいのか。続けるための言葉をどのように作っていけるか。そんなことを最近は考えています。

ちなみに本書は新刊入荷分が1週間で品切れてしまい、現在重版分からの入荷待ちです。うう、すみません。見通しについてももっと考えなければならなかった。自分に喝です。

📚新入荷

たった一人の読者を生きる(荒井裕樹/柏書房)
ロングセラー『まとまらない言葉を生きる』を著した「声の小さな文学者」が新たに綴るのは、これまで語られてこなかった「たった一人の読者を生きる」という経験について。小さな「自分」を守ることで、誰かとつながる12の内緒話。

本を発注するときに書店バイヤーが考えていること(飯田正人/困ってる人文編集者の会)
「おてあげ」連載でご好評いただいた、書店バイヤー・飯田正人さんの連載を、加筆修正+書き下ろしでまとめた一冊です。発注・返品・重版対応・パブリシティ対応など、書店の〈司令塔〉が日々どのように判断しているのかを、現場の実感として率直に綴っています。出版・書店関係者にとって、実務にも直結する内容です。

助かりたさ、あるいは集積(松本ユイナ)
Threads、Vogueカルチャー、広告倫理、高市政権、仕事帰りのジャンクフード爆食、それぞれから「助かりたさ」の構造を考える批評エッセイ集。

現代思想2026年6月臨時増刊号 総特集=フェミニズムから問う
2010年代後半以降、#MeTooなどの動きとともに盛り上がりをみせたフェミニズム。その歩みは同時に、絶えざる分断と簒奪に向き合い抗うことを余儀なくされてきた。世界がますます混迷を深めるいま、進むべき道はどこにあるのか。フェミニズムから、フェミニズムとともに、フェミニズムへと、いま何が問われねばならないのか。本特集では多様な領域を超えてその理論と実践の現在地を一望する。

悪いことばの力(和泉悠/大和書房)
“悪さ”を通して改めてことばと向き合う
・「うざい、ダサい」は絶対に悪口?
・「近頃の若者は」がダメな本当の理由は?
・「私なんて…」の自虐は危険?
悪いことばが悪い理由は、「感情」ではなく「力関係」をみるとよくわかる。ことばの使い方に迷う、大人のための言語哲学の本。

📚TOUTEN BEST (2026.5.4-2026.5.24)

私たちにはことばがあった vol.1 〈政治と私〉(安達茉莉子、小沼理、小指、関根愛、丹治史彦、中岡祐介、 西本千尋、藤岡みなみ、矢部真太)
不安定な政治情勢の中、制作期間1か月で編まれた執筆者9人によるアンソロジーZINE。「政治をどうすべきか」という議論のもっともっと手前にある、「今、どうやってこの日々を過ごしていますか?」という安達茉莉子さん(本ZINE発案者)の呼びかけに応答して、それぞれの暮らしからまなざす政治やデモのこと、ゆらぐ日々の中で言葉にした「今このとき」のエッセイ集。在庫切れ中です、すみません!

バラバラな世界で共に生きる(朱喜哲/NHK出版)
わかり合えない他者を、敵にしないために。分断が極まり、「正しさ」がSNSでぶつかり合う社会で、私たちは他者といかに語り合えるか。アメリカの哲学者リチャード・ローティは、共通の基盤なき世界でそれでも人が共に生きる可能性を問い続けた。その哲学から、分極化の時代を生きるための知的作法を鮮やかに引き出す。今、超超おすすめなのですが重版中につき店頭在庫品切れ中です🙇また入荷したらインスタにてお知らせします!

ほんとうのことを書く練習(土門蘭 / ダイアモンド社)
作家の土門蘭さんによる、書くことについて。わたしたちはきっと、この本を通してもっと自由に書く=生きることができる。文章を書きたい、と思っている人にはもちろん、自分の気持ちをうまく発露できないと感じる人や、どう表現したらいいのかわからない人にもぜひおすすめしたい1冊。

パタパタどうぶつえん(岡田善敬 タケウマ=絵/ブロンズ新社)
真ん中にはさまれた短いページを左右にめくると、動物たちが歩いたり、跳ねたり、生き生きとうごきだすように見える、シンプルなのに驚きいっぱいの絵本です。躍動感あふれる動物たちの姿が、パタパタめくるうごきとぴったりかみ合い、読んで楽しく、遊んで楽しい一冊です。タケウマさんのサイン・スケッチ入り!

お金信仰さようなら(ヤマザキOKコンピュータ / 穴書)
どれだけの資産があれば人は幸せになれるのか?売れないものには価値がないのか?経済成長すれば私たちの暮らしは豊かになるのか?金融界のみならず、国内外のパンク・シーンや多種多様な地下カルチャーを渡り歩いてきたヤマコンさんがそこで培った独自の視点でひとつひとつの疑問を解き、貯蓄でもなく、選挙でもない、新しい選択肢を提示する。まだまだ売れてますっ!!!

👀展示&イベント情報

展示情報【26.5.22-6.6】『パタパタどうぶつえん』出版記念 タケウマ絵本原画展
ゆっくりパタパタ、すばやくパタパタ、どうぶつたちがうごきだす!読んで楽しく、遊んで楽しい絵本。『パタパタどうぶつえん』(岡田善敬・タケウマ=絵)の出版を記念して、原画展を開催します。グラフィックデザイナー・アートディレクターの岡田善敬さんと、イラストレーター・スケッチャーのタケウマさんがコラボして生まれた楽しくてあたらしいしかけ絵本。ぜひお越しください!


1F POPUP情報【26.5.12-6.13】BOOKSELLERS CLOTHING issue POP UP
今年も「本屋に行こう」を合言葉にした書店限定・アパレルグッズブランドBOOKSELLERS CLOTHING issueのPOP UPを当店1階売場にて開催中です。新シリーズの画家・著述家・装幀家の林哲夫さんが描いた「パリの書店を巡って」シリーズ、書店のスケッチが素晴らしい。ぜひ注目して見てみてください。他にも堀内えりかさん、齋藤拓実さん、朝野ペコさんらのTシャツ、トートや阿部春弥・みかさんによるBOOK MUGシリーズも。ぜひ楽しんでいってください📚

イベント情報

アーカイブ配信中【26.5.9】パレスチナとつながる写真展PROJECTマクルーバ写真展「私たちが見たパレスチナ」トークイベント ゲスト・ 髙橋智恵(架け箸)
パレスチナで生きる人々のことを写真で伝え、共に生きることを模索するマクルーバさんの写真展「私たちが見たパレスチナ」にあわせ、トークイベントを開催しました。ゲストには中東パレスチナ×日本のカワイイを届けるお店「架け箸」を運営する髙橋智恵さんをお招きしてトークイベントを開催します。マクルーバのZINEvol.3も、架け箸さんが2025年夏にパレスチナ・ヨルダン川西岸地区の暮らしを訪ねた記録が特集されています。

【26.6.20】中村佳太✕古田テツトーク&茶話会「家父長制の沼から抜け出すための茶話会 〜コーヒー業界と子育ての労働から考える〜」
京都で焙煎所を営みながらコーヒー業界のジェンダーギャップ解消を目指す中村佳太さん。名古屋でジェンダーにまつわる本の読書会を開催している古田テツさん。都心から離れたところでジェンダーについて考える活動をしているおふたりの単行本とZINEの発売を記念したトークイベントを開催します。家制度が廃止になっても消滅しない家父長制の沼から抜け出すために、ともに考えていきましょう。

【26.6.21】菊地夏野×古賀詩穂子×山田亜紀子トーク「フェミ本屋&編集者がおきくと考える!これからの左派メディアとフェミニズム」
現在のフェミニズムを考えるうえで避けては通れないトピックを取り上げながら、左派メディアとフェミニズムの可能性を考えていきます。また、5月下旬発売の『現代思想臨時増刊号:フェミニズムから問う』には菊地さんの論考およびナンシー・フレイザーとの討議が収録されています。この特集の読みどころなどを紹介する「おきく解説」タイムも予定していますので、どうぞお楽しみに!

【26.7.10】東海ゆるブッククラブ 第一回 作品カフカ 「掟の前で」
(主催:南部さん、新城さん)読んでこなくてもその場で読める、また討論したくなるような作品を取り上げて、文学の楽しさ、読書会のよろこびを体験できるような会を目指しています。第一回の取り上げる作品はカフカの 「掟の前で」です。光文社古典新訳文庫『変身/掟の前で』(フランツ・カフカ、丘沢静也=訳/光文社)に収録されています。

AFTER TALK

先日相生山に行ってきました。話には聞いていたものの、名古屋にこんな森が?!?!と驚きました。別の日の夜には蛍も見に行きました。真っ暗な状態で歩く森は自然に「おじゃまします」という感じが心地よくて、蛍もとっても綺麗だった。

相生山を歩く。Oくん写真ありがとう。

相生山を歩く。Oくん写真ありがとう。

歩いていくと途中、梅林に出て、子供会のような団体が梅を収穫していました。自然のサイクルと共に生きることが都会だとほとんど失われていると感じます。それを壊してきたのは発展と便利さの人間社会なわけですけれども。その恩恵を受けている、私でもあるのですけれども。もっと便利にするのは、どうしてなんだろう、と疑問をずっと持つことが増える。もっと早く、効率を、と削った先に、残るのは何なのだろう?豊かな時間?自殺者数がこんなに多い日本で、それは「正解」ではないだろう。もっとゆっくりできる社会の方が、私はいいんだけど。

話がそれていきましたが、相生山は今、止まっていた道路建設が動き出してしまった状況です。詳しくは下記記事をどうぞ。

記事にある反対署名のリンクです。

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING 悪いことばの力(和泉悠/大和書房)

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