TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #87
#87 INDEX
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HELLO
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新入荷&今週の1冊
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TOUTEN ベスト (2025.7.21-2025.8.3)
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イベント情報
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AFTER TALK
🏊HELLO
危険な暑さが続いていますね……。先日の定休日に業務用エアコンの清掃をしてもらいました。風の効きが違う気がします。学生時代、エアコンのない体育館で部活をしていたのが嘘みたいに、びっくりする暑さ。お風呂と同じくらいの気温ですもんね。茹ってしまう。駅から歩くのしんどい!という人、通販もしておりますので、使い分けていただけたら。通販にない本もお気軽にお問い合わせください。
さてさて、戦後80年、戦争を考える場所が全国さまざまなところで増えていると思います。80年談話もどうなるのだろう、とニュースになっていますね。当店では今週7日から「熱田空襲を知る展」を開催します。この店のある地域で戦争はどのように関わっていたのか、どのような形で戦争被害があったのか、知らなければならないなと思い、当店によく来てくださっていて、ご自身も熱田空襲体験者に聞き取りの活動をするKさんからご紹介いただき、熱田空襲遺跡を守る有志の会の林さんにお声がけし、実現しました。熱田空襲は1945年6月9日、8分間の空襲で2,068人の死者を出しました。戦時中、軍用機生産の拠点であった愛知時計電機などが狙われ、多くの学徒動員の学生が亡くなりました。戦争は人を殺すことを正当化し、自然も壊していく。日本が戦後のままでいられるために、戦争にNOを突きつけ続けるためには、どうすればいいのか、ゆっくり考えられる展示になればと思います。
8月7日、8日、9日、いずれも13時〜18時ごろのあいだは「熱田空襲遺跡を守る有志の会」のみなさんによる、ガイド付きの展示になります。お子さんにとっては夏休みの学習に、大人にとっても地域で起きたことを知るための時間に、ぜひお越しください。
9日の夜は名古屋空襲研究者である西形久司さんによるトークイベントを開催します。西形さんはイベントが決まった後、すでに何度かご来店いただき、店の棚をじっくり見てくださいました。(本もたくさん買っていただき、感謝です🙏)名古屋空襲のことはもちろん、今パレスチナで起きているジェノサイドのこと、現在の自分たちのこととして考えられるような内容にしたいという話をされていて、まさに今立ち止まって考えたいトークになると思います。予約制ですので、↓からどうぞ。
📚新入荷&今週の1冊
シモーヌ 2025年夏号(シモーヌ編集部 / サッフォー)
シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』出版から70年後の2019年、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」から一歩先を目指すために現代書館から創刊した『シモーヌ』がリニューアル!分断と孤立を越えるコレクティブなフェミニストマガジンです。当店もお世話になっている菊地夏野さんも編集委員として参画されています。小林美香さんが参加する鼎談も。
文学カウンセリング入門(チン・ウニョン、キム・ギョンヒ 吉川凪=訳 / 黒鳥社)
「読むこと」と「書くこと」が、こんなにも静かに人を癒やす。文学が“カウンセリング”になるという、新しい読書のかたち。韓国で出版された本書『文学カウンセリング入門』は、詩や文学作品を通じて、自分自身の心の模様を読み解き、癒し、育むための方法を丁寧に示した1冊です。
Troublemakers No.2(Troublemakers Publishing)
ミスフィッツ(はみ出し者)のストーリーを伝えるインディペンデントマガジン『Troublemakers』第二号。家族、ルーツ、学問、喫茶店─あらゆるものが誰かにとっての居場所になりうることを教えてくれる、はみ出し者たちの6つのストーリー。
ソウル・サーチン(新里堅進、藤井誠二=原著、安東嵩史=編 / リイド社)
沖縄を代表する劇画家・新里堅進は、1978年『沖縄決戦』でデビュー以降、沖縄戦をはじめ沖縄の歴史・文物を描き続けてきた。極めて多作であるが本土では数作が刊行されたのみで、その50年の画業のほとんどを「沖縄で、沖縄を描く」ことに捧げてきた。戦後の沖縄文化史、そして日本漫画史におけるミッシング・ピースとも言うべき新里の人生とその作品を通じて問い直す戦後80年特別企画。
\📚今週の1冊📚/
“わたしたちはここにいる、わたしたちはクィアだ――でも、どうしたら伝わるだろう? 目の前に存在しているにもかかわらずしばしば「見えない」存在にされてしまう/「見えない」存在であることを強いられてしまう時、確かに「ここにいる」と、どうしたら伝わるのだろう。わずかな時間ではあるもののカナダに滞在している間、そして日本に帰ってきてからずっと、わたしは「見える/見えない」存在について考えているような気がする。”
2023年と24年、二度のカナダ滞在をもとに、バックラッシュが強まる日本の政治的状況を踏まえながら記録した、文筆家・水上文さん初のエッセイ集。「LGBTQ先進国」と言われる一方で、先住民や有色人種への差別が残り、パレスチナ解放をめぐって揺れ動いてもいるカナダ。(カナダのグラフィックノベル『DUCKS』を思い出します。)政治性を深く考えたプライドパレードのことやセーファースペースポリシーが立体的に感じられるクラフトビール店のこと、ウィニペグ市にある人権ミュージアムなど、クィアの視点から、また個人的な経験と絡ませながら記録されています。クィアの可視性について、またある場面ではマジョリティ側にいるからこそ見えないでいられる自らの鈍感さについても考えさせられる。エッセイの中でされる本の引用もとても良いです。
📚TOUTEN BEST ( 2025.7.21-2025.8.3 )
"Books are always with you" TOTE BAG
当店オリジナルトートバッグ、売れております。うれしい。
教科書採択2024 ある名古屋市民の忘備録(ジェンダー読書会なごや)
ジェンダー読書会なごやさんが、市の教科書採択に不安を感じ、中学校用教科書採択に関わることになった2024年4月〜8月についての出来事を記録した貴重なZINE。原則4年に1度ある、教科書採択。どのように教科書が決定されていくのかを知り、どのように市民が関わっていくのかを考えるために多くの市民に読んでほしい1冊。
複業ZINE(gasi efitorial / タバブックス)
副業ではなく複業。やりたいことだけでは生活できない/できることを増やすために/持続できる働き方を模索してetc. 15人の複業から浮かび上がってくる、仕事の現在、社会の姿。より尖がった、踏み込んだコンテンツを発信するレーベルgasi editorialより。
反家父長制結婚式完全記録本(松本ユイナ)
"結婚と家父長制、資本主義、SNS、労働、美的規範……プレ花嫁・卒花嫁による当事者研究と実践の記録。ユイナさんの語り口がテンポ良くて本当いいリズムで読めるのでおすすめの一冊。
その日暮らし(坂口恭平 / palmbooks)
再入荷したので平積みしています。気づいたらするすると売れている、不思議な本。坂口恭平さんが暮らしを綴ったエッセイ。エッセイは1篇が見開きくらいの量で進むのでとても読みやすく、今、文字がたくさん読めないな、という人にもおすすめしたいです。
👀展示&イベント情報
展示【25.8.7-23】熱田空襲を知る展
終戦直前の1945年6月9日、8分間の空襲で2,068人の死者を出した熱田空襲。戦時中、軍用機生産の拠点であった愛知時計電機などが狙われたこの熱田空襲では、多くの学徒動員の学生が亡くなりました。熱田空襲一般犠牲者慰霊のための「平和地蔵尊」が撤去の危機を迎えた際にできた「熱田空襲遺跡を守る有志の会」の代表の林さんは中日新聞の取材で「戦争を伝えるものがなくなると記憶もなくなり、新たな戦争が始まる。それを止めたい。」と語っています。記憶を受け継ぐための展示になればと思います。8月7日、8日、9日、いずれも13時〜18時ごろのあいだは「熱田空襲遺跡を守る有志の会」のみなさんによる、ガイド付きの展示になります。お子さんにとっては夏休みの学習に、大人にとっても地域で起きたことを知るための時間に、ぜひ!お越しください。
イベント情報
【25.8.9】熱田空襲を知る展トークイベント 講師:西形久司さん(主催:熱田空襲遺跡を守る有志の会)8月7日から始まる「熱田空襲を知る展」と連動したトークイベントです。ピースあいち理事で名古屋空襲研究者の西形さんによるトークイベントです。何が起きたのかを知り、いま起きている戦争にも引きつけながら考えられる時間になればと思います。ぜひ、お越しください!
【25.8.27】出張星読み+選書 予約枠完売しました🙏
私設図書館もんの館長・つっちーさんの星読みが当店でもスタート!自分の生まれた瞬間の星の配置から、その人の性質や得意とされること、人生のタイミングの話など、読み解いていきます。わたし自身受けてみて、腑に落ちることもたくさんあってびっくりしました💫なによりも客観的に自分を見直すことができて、ふっと肩の力が抜ける時間を過ごせるひとときなのがよかった。今回速攻で完売してしまいましたが、今後も開催予定ですのでどうぞよろしくお願いします🙏
☕️AFTER TALK
寝床のクーラーの風が顔に直撃するからか、寒暖差激しい中生活しているからか、先週、夏風邪を引きました。風邪薬を摂取し、とにかく寝たおかげで長引きはしなかったですが、体調を調整するのに定休日を消耗してしまう悲しさ……。くうううう。熱田区から出ていなさすぎて、心がざわざわしています。
それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。
#NOW READING 『なぜ社会は変わるのか はじめての社会運動論』(富永京子 / 講談社)
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