TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #115

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.09.15
誰でも

#115 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷

  • TOUTEN ベスト (2026.8.31-2026.9.13)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🚶HELLO

こんにちは!

まず初めに、先日の豪雨について、被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。当店は幸い大きな被害はありませんでしたが、ニュースで被害の大きさを知りました。
当店でも星読みをしてくれている私設図書館もんさんが浸水され、絵本も水浸しとなってしまったようです。現在休業中。もし余裕のある方いらっしゃいましたら、ぜひご支援をお願いします。↓もんさんのインスタグラム投稿です

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さて、2階では『天沼 矢川澄子・室野井洋子・知久寿焼のアルバム』刊行記念写真展がスタート。東京杉並区にある天沼で共同生活をはじめた4人の生活を写し出した写真集。なんだか瑞々しく、新たな生活が始まるワクワク感が詰まったような、この青春がずっと続いて行きますようにと願ってしまうような、初々しさもある写真たちで、すごく眩しい。それが過去となり、矢川さんは自死されて、という時間軸もあり、それでも関係が穏やかに存在しているその場面場面が写真だからこそ表現できるのだと思う。1ページ1ページにある広瀬さんのコメントがまた、アルバム然とさせていて、知らない世界なのに、いっしょに「懐かしい」と思ってしまう。本当に素敵な写真集です。モノクロの丁寧な印刷も素晴らしい。ぜひ期間中、観ていってくださいね。

9月6日に開催された「人は皆、それぞれの売人」イベント、お越しいただいた皆さま、興味持ってくださった皆さま、ありがとうございました!わたし一人では開催されることのない明るいお祭りのような1日で、楽しかったです。こうやってさまざま出店してくれた売人の人たちと会話をしたり、お客さんと話している様子を見ていたりすると、人によって店は変化し続けるのだということを実感します。自分がいかに内向的な人間なのか再確認することができたし(笑)、外の景色を見せてくれる友人やお客さんがいるからこそ、自分も新しい景色が見れるのだなあとしみじみ思いました。人の目を怖れず歩いて行きたいけど、それはわたしには難しいことで、だからこそ眩しくてありがたかった。

まず「さとこはいつも」なんですが、もう、「まったく元気のない時に観たい映画」として、頭に刻まれました。ちょっと毒っ気もある、ビタミンみたいな存在の映画です。3人の“さとこ”がそれぞれ、「自分の物語」を書くことでままならない人生を見つめ、生きていくストーリーなのですが、主題歌が折坂悠太+柴田聡子!!!4人目のさとこ!!!主題歌の「シミレ」、毎日聴いています。(笑)

書くことで解放されていくことの秘密を教えてくれるような、そんな素敵さを示してくれる作品でした。『ほんとうのことを書く練習』を買った人や、今まさに人生にやきもきしている人にはぜひ観てほしい!書き下ろし小説もあるので、合わせてぜひ。9月18日から公開です!

「わたしの知らない子どもたち」は\📚今週の1冊📚/にて紹介します!

📚新入荷

第7号の特集は「健康」。健康チャンネルカルチャーと健康の雑誌(un)curedなど健康という言葉をよく耳にするようになってきたと思ったら、ニューカラー健康特集だー!!!と一人興奮。”齡50を迎え、健康について考える機会が増えました。自分だけでなく、健康への不安は身近な場所にも溢れていました。うつ病による自殺未遂、配偶者の死、克服できない過去のトラウマ……。そして健康とは、決して若さ(年齢)によって担保されるものでなく、広くみんなのことでもあります。本特集は、健康に還っていこうとする人たちの小さな気づきの連続です。”初回トートバッグ付きです。

或る出来事--しかも、暴力的な--体験を言葉で語ることは果たして可能だろうか。もし不可能なら、その者の死とともにその出来事は、起こらなかったものとして歴史の闇に葬られてしまうだろう。出来事の記憶が、人間の死を越えて生き延びるために、それは語られねばならない。だが、誰が、どのように語り得るのだろうか。品切れ中だった思想のフロンティアシリーズが新装版で登場。古本で買うしか……と思っていたところだったのでうれしい。読みたい。

トランプ2.0からマムダニ市長誕生までの、個人的で政治的な日記。このホームを離れるべきか、それとも留まるべきか。自らも移民としてマイノリティの排除に怯えつつ、抗いながらも、乳がんの術後をこの街の人たちとともに生きていく。暗い時代にあっても、コミュニティと愛にこそ、希望はある。佐久間さんの文章は誠実で、やさしくて、元気がもらえる。

通学路の途中にある、斉藤さんの家の塀。小学生のゆうたは、ある日、子供たちがそこに落書きをしている現場を目撃する。「さいとうさんへ カベのらく書き 消すの手つだいます」――勇気を出して手紙を書いたゆうただったが、待てど暮らせど返事は届かない。不安に駆られたゆうたが、意を決して斉藤さんの家を訪れると……。『河童のパキチ』も同時刊行!

立ち飲み屋で、家で、飛行機で、公園で、話しながら、読みながら……。『酒場の君』著者・武塙麻衣子さんの新刊は、気ままなひとり飲みの時間!サイン入りで入荷しています!

📚今週の1冊📚

私は、暗闇でものを見られる大人になれるでしょうか。

音楽家の父のもと、ピアノに親しんで育った私は、戦争ですべてを失い、生きるために、自分を偽ることを選んだ――。

今秋10月16日公開予定となる新作映画の原案小説にして、映画では語りえなかったいくつもの物語が、情景が、心象が……「生きる」ことにどこまでも真摯なその姿が胸にのこって離れない、戦渦を生きたひとたちが奏でる圧倒的長篇。

版元紹介より

映画を観て、しばらく放心状態になった後、この本を買うために(自分の店にあるのに)真っ先に近くの本屋に向かいました。これは、映画も本も、両方見てほしい作品です。

舞台は東京、敗戦後から憲法が施行されるまでの1~2年、親を失くし、身寄りのない子どもたちはどのように生き延び、道ゆく人に同情され、同時に蔑まれ、社会から疎まれてきたのか。どのような背景を持った子どもたちがいたのか、どのようなことをしないと生きていけなかったか。当事者からも語られることの少なかった戦災孤児に焦点を当てた小説と映画です。映画に圧倒され、映画で描かれなかったところも読みたい、と思い本も読み、さらに圧倒される読書体験でした。

戦争は暴力そのものであり、構造的に人を追い詰める。生も、性も、管理しようとする。そのことがありありと描かれている。

「火垂るの墓」の中でも、被害と加害があちこちと重なっていき、こんがらがるように混沌としていく社会を感じたな、ということを思い出しました。そして今まさに世界で存在する多くの戦争孤児たちや、戦後を生き続けた当時の子どもたちに思いを馳せました。子どもが幸福に生きること、法を逸脱してしまうこと、死んでしまうこと、そのいずれも、社会も背負うべき責任のはずだ。大人としての責任を、忘れてたまるか、という思いです。

彼もまた、私が沈黙のままに受け容れたあの戦争の中で幸福の種を焼かれてしまった、もう一人の茅野琴子であるように思えてなりません。

『わたしの知らない子どもたち 』P341

本は販売中、映画は10月16日公開です。ぜひ!!!!!

📚TOUTEN BEST (2026.8.17-2026.8.30)

ICC国際刑事裁判所所長・赤根智子さんの著書。赤根さん、名古屋出身なんですね。中日新聞でも大きく取り上げられていました。アメリカ・トランプ政権による制裁をやめるよう抗議の署名はこちら✍https://c.org/Rk4tvzHp2C
あと個人的にはふぇみ・ゼミの企画で金城美幸さん登壇の「パレスチナへの不正義と国連――植民地主義の埋め込まれた日本から眺める」(第二回目)も合わせて視聴したい。

沖縄・那覇滞在企画「Today I am, in Okinawa」が注目。独立書店ネットワーク限定の特典ペーパーついています。

先週に引き続き!デモカレンダーも見ながら👀

『フェミニズムの届かない沼で』古田さんも寄稿されています!

今月は『女の園の星5』や『復讐が足りない4』、『ああ資本主義の悪の華はいつまで咲き誇るのか。』『ニューヨークで考え中5』『水の定規』など注目のコミック新刊だらけで脳内がホクホクしています。コミック棚もぜひ立ち寄ってくださいませ。

👀展示&イベント情報

9月12日 ~ 26日 『天沼』(港の人)写真展
写真家・広瀬 勉は90年代後半の数年、『不思議の国のアリス』『雪のひとひら』「ぞうのババール」シリーズなど絵本や児童文学の翻訳を数多く手がけ、評論、随筆、小説などで広く活躍した作家・矢川澄子、舞踏家でもあった編集者・室野井洋子、元バンド「たま」のメンバーで、全国でライブ活動を続ける知久寿焼と、東京・杉並の天沼(あまぬま)にマンションを借りて共同生活をおくった。ネガフィルムには、語り、歌い、喰らい、酔っ払い、眠り、旅をして、暮らした4人が交錯した時間が残された。矢川澄子、室野井洋子、知久寿焼のそれぞれの人生の明暗を見つめる。

👉👉👉👉👉つぎの展示👉👉👉👉👉

🎫🎫🎫🎫🎫イベント情報🎫🎫🎫🎫

【26.9.19】『自分を大切にできない時に読む本』(筑摩書房)刊行記念 大原扁理×服部みれい 発売記念トークイベント 「今こそ、自分を大切にできない時のすごしかた」
昨年1月に当店にて開催し、満員御礼だった大人気トークイベント 「自分をたいせつにできないときのすごしかた」がきっかけで、一冊の本になりました!執筆を経て、さらに深まったこのテーマ。自分を大切にする力も残っていないとき、どうすればいいのか。なぜ自分を大切にできないという状態があるのか。著者が本気で取り組んだセルフケア体験談。そして制作裏話や、書き終わってからわかったことなどなど……。今まさに、自分を大切にできていないと感じる方や、過去にそうだった方、あるいはこれからの自分のために。ヒントが見つかるお話満載でお届け!

【26.9.18】東海ゆるブックラブ 第二回 作品カフカ 「変身」
読んでこなくてもその場で読める、また討論したくなるような作品を取り上げて、文学の楽しさ、読書会のよろこびを体験できるような会を目指しています。第二回の取り上げる作品はカフカの 「変身」です。光文社古典新訳文庫『変身/掟の前で』(フランツ・カフカ、丘沢静也=訳/光文社)に収録されています。

【26.9.26】Think Public読書会「その日暮らし」の人類学
何気なく送る日常、それは日々繰り返される。そんな日常に働くことは、大きな時間を占めています。それは、日々の暮らしの為だけでなく、成長と言う直線上の成果を得ることにも。今回のテーマでは、そんな世界を外れ「その日暮らし」と言う、新たな視点から見つめることで、対価や成果と言った価値以外に今まで見落としてきたモノがあるのかを見つめてみたいと思います。ご興味がありましたらお気軽にご参加ください。

【26.10.9】第一回 東海じんぶんゼミ『無知の世界史』
知識がない状態=無知と考えて良いのでしょうか? 政治、宗教、メディアなどの様々な領域で「無知」が帯びる暴力性を検討しつつ、無知を作り出す「権力」を浮かび上がらせた名著『無知の世界史』(ピーター・バーク著)の抜粋を講読し、議論します。事前に読んでいなくても全く問題なく参加できます。

【26.10.21】出張心音キネマ 作品「サラリーマン」
ふだん私設図書館「心音Books」で開催されているドキュメンタリー鑑賞会「心音キネマ」が当店に出張します。アジアンドキュメンタリーズよりピックアップされた作品を上映、上映後は意見交換をします。第一回は「サラリーマン」。個人的にも長らく観たい映画リストに入っていた作品なのでとても楽しみです。また、当店初めての試みでドキドキ半分です。興味のある方はぜひお越しください。

AFTER TALK

「人は皆、それぞれの売人」イベントに出店してくれた諸国調味料探訪さんのラー油にハマっています。

特にお気に入りはベジラー。スパイスのバランスが絶妙で、何につけても美味しい。ちょっとドライトマトっぽい味が大好きです。こないだそうめんの代わりにブン(米粉麺)を使った流しそうめんならぬ流しブンをしたのですが、相性最高でした。ブンにもハマりました。

諸国調味料探訪の容子さんとはなんと4年前の珈琲ムテさんのイベントで出会っていて、お互いびっくりしました。時の流れっていいこともある。さらに私は前職で山梨・甲府の発酵マルシェというイベントに出店していたこともあったのですが、そのつながりで共通の知り合いもかなりいて、さらにびっくり。世間は狭いというか、集まるところには集まるというか。不思議な縁で嬉しかったです。

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING『自転車日記』(デヴィッド・バーン/鹿島出版会)

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