TOUTEN BOOKSTORE NEWSLETTER #118

ほぼ隔週火曜にお送りするニュースレターです。
toutenbookstore 2026.10.27
誰でも

#118 INDEX

  • HELLO

  • 新入荷

  • TOUTEN ベスト (2026.10.12-2026.10.25)

  • イベント情報

  • AFTER TALK

🌆HELLO

こんにちは!本のさんぽみち、今年もお疲れさまでした!お越しいただいた皆さま、ありがとうございました😌📚

2階展示室ではこいけぐらんじさんの個展がスタートしています!こいけさんの絵は見惚れてしまうくらい空がきれいで、それは明け方とも、夕暮れともとれるような、なんともない日の特別な景色で、こいけさんの言う“風景たらしめる風景”は、私にとっては空の色なんだと思います。ぜひ浸ってください。あと慣れない油絵の香りが面白い。

出店が続き、体調が崩れる予感がしたのでたくさん寝ています。すこーしずつ回復してきました。前の前の土日は大阪・読の市に出店しましたが、一日中すごい人で、常に全ブース二重に人だかりがあるくらい混んでいました。今回はソロで遠方出店だったので、荷物は郵送していたのですが、送料ケチらず在庫もりもり追加できたらどのくらい売上いったのだろう……と考えるくらいすごかったです。このイベントを切り盛りした中心人物・北田博充さんに畏怖の念。買う本を選んでいる人の姿というのはいいですよね。それだけの写真集あったら欲しいくらい好きな光景。店内だとあんまりじろじろ見れないけど、こうしたイベントの時は俯瞰して見れるので、時折ぼ〜っと眺めていました。大阪ではFOLK old book store・吉村さんのおかげで念願のnim.にも行けました。至福!ずっとお会いしたかった画家の方にも吉村さんきっかけでたまたま会えて、感謝しっぱなしでした。こういう偶然があるから遠出は必要なんですね。こういうわくわくはオフラインのもとに蠢いているんだな。

大阪では連日姉の家にお世話になり、姉の子たちにシール(ボンボンドロップシールの本物を初めてもらいました)をもらい、荷物の匂いを嗅がれ続けた飼い猫を愛で、その足で千葉に向かいました。そう、ときわ書房志津ステーションビル店の閉店が間近だったからです。(25日に閉店されました。)ちょうど一年前くらいにも行ったのですが、その日は日野さん不在のタイミングだったので、再訪。いっそがしい時期だろうなと思ったので挨拶は少しだけにして、店がまえや棚を一人で見てまわる。返品できない本を買おう、と思いながらも作品社のバーゲンセールや雑誌コーナーなんかもついつい見てしまう。棚に差された本もじっくり眺める。「わ、客注受けたばっかの(結構前の既刊の)本がある。うちには在庫なかったけどここにはちゃんとある!うおー(反省)」とか思いながら見る。途中、慌ただしく店内を駆け巡る日野さんが通りぎわに「もう棚ガタガタでしょう」と言っていたけど、もちろん閉店日が近いので十分補充もできないのはわかっていたし「そんなことないですよ」と言うのも違うし、多分逆の立場であったら同じこと言うと思うしでゴニョゴニョ答えてしまったが、その時私が感じていたのは「本屋はたのしいな〜」だった。閉店間近だろうが開店直後だろうが本屋はその時々でたのしい。本屋を歩き回り目に入ったものに思いを巡らし思考に耽ること、それがただただたのしいのであって、その時間を過ごしたいから本屋に足を運ぶのだということを思った。夏葉社・島田さんがときわ書房志津ステーションビル店について書いたコラムが掲載されていた『本の雑誌』のバックナンバーと、『アレクシエーヴィチとの対話』(岩波書店)と水木しげるの『妖怪画談』を購入。日野さんのFacebookでよく見かけるカレー屋でお昼ごはんを食べて強風が吹くなか、志津を出る。志津ステーションビルを外から眺めたのは初めてだった。本屋がなかったら志津というまちを知らなかったろうな、と思う。

📚新入荷

2025年11月、その新たな市長に選ばれたのは、数カ月前まではまったく無名の民主社会主義者、ゾーラン・マムダニだった。なぜマムダニ市長が誕生したのか。ニューヨーク在住ライターでありアクティビストの佐久間裕美子さんが紡ぐ、市民の苦難と抵抗、連帯の物語。佐久間さんの帰国に合わせて、トークイベントも開催しますよ〜!!!!!(詳細は下記にて!)

カフカの最高傑作にして20世紀最大の問題作の一つとされる『変身』を、頭から終わりまで、著者が新訳しながらつぶさに読み解いていく。ままならない心と体、家族とケア、居場所と権力構造……『変身』は今を生きる私たちの日常の物語だ。

毎年お取り扱いしているクーグートスケジュールノート!今年も登場です。わたしも愛用しております。シンプルなのが良い。開きやすくて描きやすくて、切り取れるページもあって良いですよ。

小沢あやさんの新刊ZINE。“夫と婚姻届を提出して、今年でちょうど10年が経った。家族も増えたし、あちこちに惚気るような新婚フェーズはとっくに終わっている。今なら冷静に、でも冷え切っているわけでもなく、ありのままの生活を振り返ることができるのではないか。夫との10年間を私の視点でZINEにしてみようと思う。”

移民社会、自国中心主義、マルチ・エスニック化……多様化と分断が進むいま、「日本人」と「外国人」の境界線があらためて問われています。そもそも「日本人」と「外国人」はどうやって決まるんだろう?国籍が日本なら「日本人」なの?国籍、民族、ルーツ、文化――歴史や法制度をたどりながら、「日本人」という枠組みがどのようにつくられてきたのか、中学生の素朴な疑問から考える1冊。

📚TOUTEN BEST (2026.10.12-2026.10.25)

子どもたちの身体のしなやかさ、夜の空気のしんとした感じ、猫の佇まいにその視線……途中、これがペンとインクから生み出されていることに改めてハッと気づき圧倒されます。大判で読めてうれしい。本当にうれしい。出版してくれてありがとうございます!という気持ちでいっぱいです。11月23日14:00頃よりひうち棚さんのミニサイン会をするのでぜひお越しください。

16日より劇場公開となった映画「わたしの知らない子どもたち」の原案小説。映画を観てからでも、観る前でも。子どもが幸福に生きることは、社会も背負うべき責任のはずで、大人としての責任を忘れてたまるか、という思いになる作品。もう一度観たいと思っています。

苦労の末に出した新刊に、あってはならない誤植があって全部刷り直した話。結構な金額の印税をまったく別の著者に振り込んでしまった話。本づくりの「やっちまった話」を集めた一冊。

やたら売れ続けている。質問を投げれば何かしら答えが返ってくるAIという存在が当たり前となった時代に、ネガティヴ・ケイパビリティという答えを急がず考え続けるという姿勢を保つ本が売れている。読んでいると本当に頭の中がぐるぐるするし、時々「あ!え、でも……」みたいなものが自分からも出てきて、面白いですよ。

薄明の日々のなかで光を拾いあつめるように書かれた、東京・荻窪の〈本屋 Title〉店主辻山良雄さんの最新随筆集。神戸でトークイベントご一緒しました。この本を読んだばかりだったので、「いい本だったなあ〜」としみじみ思いながら、何の衒いもなく皆さんに薦めてしまったが、辻山さんのトークを聞きにきた人が多いのだから、読んだ人ばかりではなかったか。とかなんか反省した。その後のイベント出店でたくさん売れたのでよかった。

\📚今週の1冊📚/

『クィアのカナダ旅行記』では当店でもトークイベントにお越しくださった水上文さん初の批評・エッセイ集。サブタイトルに「クィア/フェミニズムと共に文学を体験する」とあるように、「よし、行こう」という感じで連れて行ってくれる読書体験です。

固定化された世界を穿つのは批評だということ、あらたな視点をもたらし、可能性を拓いてくれるものが批評なのだと思わせてくれる目が開くような本で、とてもかっこいい。これから読む人がどんどん揺さぶられてほしいし、どんどん読まれてほしい。この社会に響いてほしい。

=目次=

はじめに
狭間の沈黙

01 ほかならないこの身体で
私の身体を生きるためのブックガイド
女たちの声──現代日本文学における母娘について
母の娘──宇佐見りん『かか』について

02 異性愛規範を穿つ
クィアなフェミニストとして生きること
クィアな時間を考えるためのブックガイド
いかに「愛」を語るか──綿矢りさ作品における女性同性愛について

03 ここに楔として打ち込まねばならない
シスジェンダーとは何か?
クィアを死なせない文学──李琴峰『言霊の幸う国で』評
補論(1):「キャンセルカルチャー批判」批判
補論(2):文学の自由と暴力──笙野頼子批判
フェミニズムとトランスジェンダー──笙野頼子『水晶内制度』をめぐって
トランスジェンダーの物語をめぐるブックガイド

04 生きることに耐えて学ぶ
あなたを許さない──高瀬隼子作品について
シェイクスピアの妹など生まれはしない──初期金井美恵子作品をめぐって
我ら拷問者──松浦理英子作品とクィアな教育論

👀展示&イベント情報

“正しく観察する以前に、いろんな問題が僕の邪魔をする。目もわるくなった、年だ。色んなことを諦めていく中で、何を持ち帰るべきか、寧ろそこだけにフォーカスせざるを得ない。その風景の、その風景たらしめるそのらしさ。”こいけぐらんじさん、4年ぶりの当店での展示。空の色彩がほんとうに素晴らしい。大好きしゃもじシリーズも。ぜひお越しくださいね。

1Fフェア
10月 2日 ~ 10月30日 世界のノンフィクションがおもしろい!フェア
10月 2日 ~ 10月30日 WORK SIGHTフェア

👉👉👉👉👉つぎの展示👉👉👉👉👉

2階展示室
11月 18日 ~ 11月 23日 Cinq 5photographers
11月 27日〜12月 5日 写真展 樺太棄民

🎫🎫🎫🎫🎫イベント情報🎫🎫🎫🎫

【26.10.30】🐌自然とおしゃべり読書会🌳
主宰:書肆乱想
“自然や生き物のオススメ本について話してほしい…!いろんな人の自然への思いを聞きたい…!そんな理由で開催します。環境や気候問題など、社会のことまで幅広く話せるとうれしいです☺”ぜひご参加ください〜!参加方法は書肆乱想さんの各種SNSのDM(リンクからご確認ください)、またはsyoshi_ransou@proton.meまで✉

【26.10.30】出張 夜のパン屋さん
夜のパン屋さんは、2020年10月の世界食糧デーにオープンした、パン屋のフードロス対策と、ホームレスの人やコロナ禍で職を失った人たちへの仕事づくり、遅帰りの方に買い物の楽しみを提供する、三方良しのパン屋さんです。ぜひ買いにいらしてくださいませ〜!

【26.11.5】クレオパトラブックス 
久々のクレオパトラブックス!すでに満席となりました🙇📚12月は年末恒例企画を行う予定ですので、お楽しみに!

【26.11.29】『それでも闘うニューヨーク』(集英社インターナショナル)刊行記念 佐久間裕美子×嶋崎出トークイベント「We Act! in Nagoya -社会を変えるためにローカルから考える-」
ライター・アクティビストの佐久間裕美子さんと、名古屋で自転車メッセンジャー、自転車権利運動を行うデイジーメッセンジャー・嶋崎出さんのトークイベントを開催します!本の話、住民運動の話、ローカルとアクションの関係性、どうしたら市民目線で政治を変えられるのか、お二人の語らいを聞きながら考える時間になればと思います。また、出さんは印刷家でもあり、当店のトートバックの印刷なども手がけてくれています。トーク終了後、佐久間さん主宰のSakumagデザインの版を使ってシルクスクリーンをしながらみんなでおしゃべりする時間も取れたらと思います。ぜひお越しください〜!

【26.12.5】「写真展 樺太棄民」トークイベント
主催:ジェンダー読書会なごや、むちむち=協力
長年活動されてきた人々の知恵を、次の世代に繋ぐ。過去の加害を振り返り、今の加害を紐解く。「いままで」と「これから」の交差点をめざす企画、直面する学習会です。第3回目はジャーナリストの伊藤孝司さんをお招きし、「樺太棄民」写真展&ギャラリートーク、トークイベントのトリプル企画です。私達で歴史に光を当て、語り継いでいきましょう。

【26.12.5】Think Public読書会『会社員の哲学 』
主催:Think Public
“学生時代に卒業後は働かなければと思い選択した職種。そんな第一歩から始まった労働は、知らないうちに体力だけでなく、自分らしさという感覚も減っていくように感じます。そんな中、著者の柿内正午さんは、自らが会社員でありながら、経済論、哲学、人類学を見つつ、私達にとって働くこととは何かを見つめています。多様性を迎えた現代に「働くこと」とは、何を意味するのでしょう。皆さんと共に考えてみたいと思います。ご参加お待ちしております。”

☕AFTER TALK

志津を出た後向かったのは、旧尾崎テオドラ邸で開催中の「ヤマシタトモコ20周年展」でした。行かないわけにはいかないぜ。

漫画家・山下和美が中心となり【一般社団法人 旧尾崎邸保存プロジェクト】(代表:山下和美・笹生那実)を設立し、両代表のほぼ全財産をつぎ込み土地家屋を取得して、洋館は社団法人のものとなりました。解体を免れた洋館は、見事な建築としての姿とは裏腹に、建てられてから百年以上の歳月ゆえ、このままでは朽ちていくのは避けられない状態でした。保存するためには多大な修繕費用が掛かる為、クラウドファンディングのご支援や、複数の漫画家さんからの融資を受け、この想いのあふれる、大プロジェクトがスタートいたしました。

旧尾崎テオドラ邸HPより

旧尾崎テオドラ邸の建物自体が物語でぜひ行ってみて欲しいのですが、私はなんと言っても『違国日記』の原画を見てもう胸いっぱいになって……。大満足でした。笠町くん表紙の7巻で笠町くんがお花持ってますでしょう?持ってるんですよ。そこに「かれのための誰にあげるわけでもない花を持たせたかった」ってコメントがあって、もう目を真っ赤にして展示会場をうろうろしました。購入した図録、大事にします。在り続けてほしい。旧尾崎テオドラ邸。知らなかったけど過去には田島列島も原画展やっていたのですね。またきっと行く。

時間があれば松濤でやっていた「路上、お邪魔ですか?」やMINA COLLECTION STOREでオープンのTEMPORAにも行きたかったですがタイムオーバーのため断念。(行ける人はぜひ〜!!!!)疲れすぎてもいたので無理はせず、下北沢B&Bに寄ってから混み合っている電車みたいな新宿に行って待ち合わせダンジョンをやっとこさの気持ちでクリアし、はじめてのベルクでコーヒーとプリンをかっさらい(ますむらひろしの原画があったんですね?!)夜行バスで帰宅しました。なんだか久々に人混みに揉まれてしばらくびっくりしていました。

それでは、まだまだ大変な世の中ですが、好きな飲み物を飲んで、ご自愛しつつ、今週もそれぞれの読書時間をお過ごしください。

#NOW READING 『それでも闘うニューヨーク』(佐久間裕美子/集英社インターナショナル)

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